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長崎県展受賞作品発表 最高賞は磁石場を写実的に描いた洋画作品

西望平和賞を受賞した青木さんの洋画作品「塊然」

西望平和賞を受賞した青木さんの洋画作品「塊然」

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 長崎県美術展覧会(県展)の受賞者・入賞者が9月17日に発表され、青木英明さん(雲仙市)の洋画作品「塊然(かいぜん)」が最高賞となる西望平和賞に選ばれた。主催は長崎県美術協会。

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 長崎県内最大の公募展として67回目を数える同展。8月上旬に募集し、「日本画」「洋画」「彫刻」「工芸」「書」「写真」「デザイン」の7部門に1150人から1279作品の出品があった。

 抽象作品が少なめだったという今年の洋画部門では作家の技術だけではなく独創性や表現力など総合的に審査を行ったという。青木さんの作品は佐賀県有田町の泉山磁石場を題材に描いた作品。右上に淡いブルーの中に描かれた木々との対比がオレンジ系の岩肌をさらに美しく引き立てている。幾重にも塗り重ねた絵の具によって400年の時間の積み重ねと材質感を写実的に表現した岩の存在感が描かれた重厚感と繊細さを併せ持つ作品となっていることから、各部門の最高賞の中から選ばれる特別賞・西望平和賞の受賞につながった。

 このほか各部門の最高賞となる知事賞に「不撓(ふとう)」日本画・髙比良麻末さん、「大きくなった王子」彫刻・北野竹子さん、「八角深鉢・風景)」工芸・嶋田義昭さん、「菊」書・浦山未季さん、「新幹線かもめがやってくる」写真・久米真弓さん、「キレイな海」デザイン・清成美鈴さんが、それぞれ決まった。洋画部門の新人賞に当たる特別賞「野口彌太郎賞」には長崎日本大学高校の土井咲和さんが描いた「時」が決まった。

 同協会の浅野類二さんは「日本画や彫刻の作品が減少傾向ながら、彫刻部門は高校生が出品作品の半数以上を占め若手育成事業の成果も現れ始めているのでは。写真部門ではコロナ禍の影響で祭りやスポーツを題材とした作品が少ない一方、23日開業の西九州新幹線やネイチャーを主題にしたものが多かった。応募の9割が高校生だったデザイン部門では世界中が危惧しているウクライナなど現代の問題をテーマにした作品やイラストレーションのみで描かれる作品など個性豊かな作品がそろった」と話す。

 入賞・入選作品の一般公開は9月18日~10月2日、長崎県美術館(長崎市出島町)で行う。諫早市美術・歴史館(諫早市)や佐世保市博物館島瀬美術センター(佐世保市)でも作品展を開くほか、南島原市と壱岐市での移動展も予定する。

 長崎会場の開催時間は10時~18時(最終日は16時閉場)。入場料(当日)は、一般=500円、70歳以上=400円、高校生=200円、小中学生無料。9月26日は休館。

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