見る・遊ぶ

長崎全編ロケ映画「こん、こん。」 舞台あいさつに地元出身・塩田みうさんら

舞台あいさつの様子

舞台あいさつの様子

  • 20

  •  

 長崎県内で全編ロケが行われた映画「こん、こん。」が6月9日、県内で先行公開され、ユナイテッドシネマ長崎(長崎市尾上町)で横尾初喜監督と出演者らが舞台あいさつを行った。

トークセッションで撮影を振り返る遠藤さんと塩田さん

[広告]

 同じく長崎県内で全編ロケが行われた映画「こはく」(2019)に続く同作は、横尾監督にとって初挑戦となる恋愛映画。何事も「フツー」な毎日を送る大学生・堀内賢星と「好き」がたくさんある同級生・七瀬宇海が長崎を舞台に描く、対極的な2人の「恋」の物語。

 舞台あいさつには横尾監督のほか、堀内賢星役の遠藤健慎さんと、長崎を中心に活躍する地元出身の女優で七瀬宇海役の塩田みうさんに加え、七瀬宇海の父役として出演した佐世保市出身の俳優、栄信さんの4人が登壇。撮影の裏話なども飛び出し、満員の会場を沸かせた。

 横尾監督がメガホンを取るドラマ「悪魔とラブソング」に出演したことがきっかけで同作への出演が決まった遠藤さん。「静岡出身なので、県民キャストにこだわった撮影現場に入るときは不安だったがすぐに打ち解け、長崎の人の温かさを感じた」と振り返る。好きな場面を聞かれた遠藤さんは「主演を演じたのでワンシーン、ワンシーンがどれも尊い。撮影した場所もどれも記憶に残っているが、ラストシーンの締めつけられるような切ない感情がなんとも言えない」と話す。

 映画「こはく」への出演で横尾監督と出会い、出演者らにも教えてもらいながら貴重な経験をしたという塩田さん。「横尾監督が当時、『長崎で映画を撮ろう』と話していたことが実現したものの、恋愛映画を私が演じていいのだろうか」と驚いたという塩田さん。台本に描かれる天真らんまんな宇海の姿に「この役をやりたい」と一瞬で心引かれたと振り返る。「撮影を通じて長崎に住んでいても知らないロケーションが多いことに気づき、長崎の見方が変わった」と話す塩田さん。県民キャストのオーディションから一緒に作り上げてきたことから「若者同士で切磋琢磨(せっさたくま)したことで成長させてもらい、自分の中で大切な映画になった」と作品への思いを話す。

 栄信さんは「長崎を盛り上げたいという思いはあったが、一俳優としてできることは限られる」という思いから出演を決めたという。ラストシーンのみの出演だったことから、崎戸で行われた撮影に1日のみの参加となったが、撮影が満潮と重なったためスタッフが海の中から撮影することになったため「現場に着いたら全員海に入って楽しんでいたことに驚いた」という思い出話で会場の笑いを誘った。「自身の代表作と言ってもらえるよう、多くの人に見てもらえるとうれしい」とも。

 「撮影は観光地や有名な場所ではなく、あえて長崎に住んでいる人なら目にする日常的な場所を選んでいる」と話す横尾監督。「恋愛映画と言っても人間の弱さや強さがないと届けられない『愛』を描いた作品に仕上げたかった」と話す。「主演の2人の演技を知っているからこそ、台本やこれまでの演技、そして自分を超えてもらいたいという思いもあった。2人とも、もがき苦しみながら超えてくれたからこそ、映画に込めた思いが伝わる作品になったのでは」と振り返り、「これからは映画を見た方が、それぞれの解釈で広がっていく。公開初日を迎え、スタートに立てたという思いでいっぱい」と笑顔を見せた。

 上映を見に来ていた県民キャストらも急きょ、舞台あいさつに参加。撮影の舞台裏などのエピソードで会場を盛り上げた。

 横尾監督は「これからも長崎を好きになれる、誇りになれる作品を作っていきたい。今後は長崎が抱える社会課題などをテーマに脚本の構想を練っていけたら」と次作にも意欲を見せる。

 先行上映はユナイテッド・シネマ長崎とシネマボックス太陽(佐世保市)の2劇場で行い、今秋からは全国で順次ロードショーとなる。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース