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長崎で児童ら対象に「初めての書道」-直線書き競争も

児童らが手本を毛筆でなぞりながら「へのへのもへじ」を書いた

児童らが手本を毛筆でなぞりながら「へのへのもへじ」を書いた

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 書道スタジオ「Start」(長崎市中町、TEL 090-9797-3505)で5月3日、小学校2年生以下の児童らを対象にしたミニイベント「はじめての書道」が開かれた。

一筆書きの手本を選ぶ児童ら

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 小学校では毛筆を使う授業は3年生から始まる。まだ毛筆を使ったことがない児童に毛筆を使う楽しさを知ってもらおうと、長崎在住の書家・田島寵瑛(ちょうえい)さんが小学校2年生以下の児童を対象に呼び掛けたところ、2歳から7歳の男児3人、女児4人が母親らと一緒に参加した。

 長崎出身の寵瑛さんは6歳の時、従兄弟が学んでいたことがきっかけで書を学び始め、教育書道芸術院を創設した故・大渓洗耳(おおたにせんじ)さんをはじめ複数の書家に師事。結婚後も東京や福岡などで活動を続けてきた。東京書作展、長崎県展などでも入賞、入選を果たしている。最近は家族の名前をハート形に描く「ハートde書」などのインテリア書を手掛ける。「人が毎日の暮らしを営む上で、それを形作るものが好き」と話す。現在、一児の母親。

 寵瑛さんは児童らにさまざまな一筆書きの「手本」を手渡し、毛筆でなぞるように指示。児童らは自分が好きな形の手本を受け取ると、思い思いに筆でなぞりながら自然と毛筆で書くコツを覚えた。児童らが毛筆に慣れてきた後、それぞれ形が違う「へのへのもへじ」の手本を児童らに手渡した。児童らはそれぞれ好きな手本を受け取り、毛筆でなぞりながら歓声を上げた。手本をなぞった後は「へ」「の」「も」「じ」の中からそれぞれ好きな一字を選ばせ、白紙の半紙に手本を見ながら書くことを教えた。

 「小学校で書写を習うのは3年生から。勉強としての『書写』に接する前に、書道が楽しいものであることをあらかじめ体で覚えてもらうことが大切」と寵瑛さん。手本などを使った指導を一通り終えると、書道用画仙紙という横長の紙を2枚つなぎ合わせて約2.7メートルの紙を床に広げた。この紙の上で児童らに1対1で直線描きタイムトライアル対決をさせると会場は児童らや母親らの歓声で一気に盛り上がった。途中の休憩時間ではジュースやクッキーなどを用意したが、「おやつより書く方が楽しい」と休憩することもなく書写を続ける児童がほとんどだった。

 最後は児童らに色紙を渡して好きな言葉を書かせ、その作品に落款(らっかん)に見立てて好きな消しゴムはんこを選ばせ、「Start」の福山店主がそれぞれに押印した。児童らは兄弟の名前を書いたり、好きな文字を一つだけ書いたりするなど、それぞれが大切だと思うものを色紙にしたため大事そうに持ち帰った。

 母親の一人は「書道教室とは違う自由な雰囲気で楽しかった。子どもがこんなに喜ぶとは思わなかった」と話す。別の母親は「学校では来年習うが、ここで楽しい雰囲気ながら集中して指導してもらいとても良かった」と振り返る。

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