伊藤銀次さんが長崎のファンと「約束のライブ」-「きくちゃんの詩」に作曲も

今年2月、東山手甲十三番館で開かれたミニライブに集まった人たちと伊藤銀次さん(ギターを持った男性)

今年2月、東山手甲十三番館で開かれたミニライブに集まった人たちと伊藤銀次さん(ギターを持った男性)

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 ミュージックバー「Paranoia」(長崎市万屋町、TEL 095-821-0987)で11月1日、歌手で作曲家の伊藤銀次さんが今年2月に地元のファンと約束したライブを開く。

伊藤さんの曲を聞く平田さん

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 伊藤さんは1950(昭和25)年大阪府生まれ。1976(昭和51)年に故・大瀧詠一さん、山下達郎さんらと「NIAGARA TRIANGLE Vol.1」を発表。佐野元春さんがデビューした当時には音楽プロデューサーも務めた。歌手やギタリストのほか、作曲家、音楽プロデューサーとして幅広く活躍。今年3月に放送終了したバラエティー番組「笑っていいとも」のテーマ曲「ウキウキWatching」の作曲者としても知られる。

 今年2月、伊藤さんは長崎市内の病院で40年以上入院生活を送る脳性まひの詩人・平田喜久代さんを訪問した。平田さんは言語障がいや四肢にもまひを持ち、2003年に気管切開して以来、かすかな声しか出せない状態にもかかわらず、実妹で看護師の山口まゆみさんのサポートで詩作を続けている。2011年1月に長崎特別支援学校に入学し、50代にして生まれて初めて小学生になった平田さん。当時の担任で、現在は布ナプキン専門店「りぼん」(万屋町)を経営する大原万里亜さんの勧めで2012年8月、詩集「きくちゃんの詩(うた)」を出版。口コミで全国に評判が広がり、昨年4月に女優の大地真央さんがテレビ番組で朗読するなど大きな反響を呼んだ。

 昨年秋、伊藤さんはフェイスブックで知り合った大原さんの招きで長崎市内のオハナカフェ(浜町)でライブを開催。その時に「きくちゃんの詩」を初めて手に取った。「読んでいるそばから次々にメロディーが頭の中に浮かんできた。楽器も何も準備していなかったので『やばい』と思って詩集を閉じた。東京に持ち帰って作曲を始めたら、一気に9曲も出来上がった」と振り返る。

 伊藤さんは平田さんを訪問した後、夕方から東山手甲十三番館(東山手町)でアコースティックライブを開催。フェイスブックを通して知り合った長崎のファン、20人ほどが集まった。「多くの縁に恵まれて長崎が大好きになった。東京ではなく、長崎から『きくちゃんの詩』のCDを出す」と宣言。再び長崎でライブを開くと約束して和気あいあいのうちに終了した。

 「伊藤銀次 I Stand Alone 2014」と名付けられた今回のライブツアーは、10月31日~11月3日の間、大分を皮切りに「長崎」「福岡」「熊本」と4日連続で九州各地を回る2日目。その後は大阪(11月7日)、名古屋(11月9日)を経て東京・西荻窪(11月21日)の7カ所で締めくくる。いずれの場所も副題は「アコースティックライブ」だが、長崎だけは「ワンダフル・ミーティング」。伊藤さんは長崎の印象について、「僕の目には長崎はどこか日本離れしたまるでサンフランシスコのようなイメージ(といってもサンフランシスコには行ったことがないのですが)」と自身のフェイスブックで紹介。「たまたまかもしれないが、出会う人たちもどこかマイペースで個性的な人が多かった」とも。

 「ミーティング」と名付けた理由については「せっかくだから長崎在住のミュージシャンとセッションしてみることにした」と説明する。参加するのはジャズ・ピアニストの阿野裕行さん、ベーシストの臼木秀樹さん、ドラマーの森次郎さん(以上、長崎在住)。

 音や譜面のやり取りなど事前の打ち合わせはしたものの、実際には当日のぶっつけ本番。「文字通りのセッション。わあ、スリル満点。だけどなんかうまく行きそうな予感がしてならない」と伊藤さん。自身の弾き語りや「きくちゃんの詩」に伊藤さんが曲を付けた「新曲」も数曲披露する予定。

 料金は3,500円(事前予約=3,000円)。別途オーダーが必要。

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