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長崎で「動物粘土写真展」-長崎大の研究者、粘土細工を野外で撮影

火をモチーフにした粘土の動物、火炎ウサギ

火をモチーフにした粘土の動物、火炎ウサギ

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 ナガサキピースミュージアム(長崎市松が枝町)で2月15日から、「しまももの粘土写真展~ちいさい動物のひろい世界」が開催される。

火炎ウサギと赤いジャガーを手にする作者の柴田(しまもも)さん

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 長崎大学熱帯医学研究所の研究員、柴田宏樹さんが制作した粘土細工の動物が、長崎の自然の中でいきいきとした表情を見せている写真約30点を並べる。「しまもも」とは、自身の顔がモモンガに似ていると言われたことから命名した柴田さんのアーティスト名。

 粘土細工の動物は、火をモチーフとした火炎ウサギ、花のような模様を持つ赤いジャガー、緑色のさるくん、青いイノシシの4種類。ウサギの表面の金色の毛並みも粘土を合わせて色を重ね、ジャガーの斑点は金太郎あめのように粘土で模様を作り体に貼り付けて表現。筆による色付けは一切行っていないという。青い眼球の目頭のピンク色の膜や足の裏の小さな肉球、爪、牙など、細かい部分にもこだわって作り込んでいる。高さ約15センチの動物は約130度で1時間焼き上げているため陶器のように硬く水にも強い。

 火炎ウサギは、柴田さんの出身である愛知県の「鳥羽の火祭り」がアイデアの元になっており、2つの大きい耳は炎で燃え上がる御神木を意味するという。設計図などはなく、手を動かしているうちにアイデアがわいてきて、細かな修正を行いながら1年がかりで作り上げた。

 それらの動物を長崎・岩屋山の自然の中で遊ばせている風景を柴田さんが撮影。動物を置く場所にこだわり、植物の風情や色、四季の美しさを生かし、物語を作りながら撮影した。自然の中に溶け込んだ動物が、笑ったり真剣な顔になったりするなど、まるで生きているように変化して見える。柴田さん自身も、写真の中の動物たちの変化を見て驚いたという。

 粘土の動物が最初に完成したときは自分の部屋に飾って撮影して満足していたが、友人から「外で撮影してみては」と言われ、山や海、川などへ出かけて撮影するようになった。その写真を職場や飲み会などで見せているうちに評判になり、個展開催を勧められ今回の写真展が実現した。

 「ちょっとしたアレンジを加えるのが僕のスタイル。タイトルと写真を見てそれぞれの物語を想像して自由に楽しんでほしい」と柴田さん。4種類の動物の絵ハガキ(1枚100円)の販売も行う。

 開館時間は9時30分~17時30分。入館無料。2月27日まで(21日は休館)。

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