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長崎大のプロフェッショナルが長崎の多彩な魅力ひもとく歴史書発売

本をPRする南森准教授

本をPRする南森准教授

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 長崎大学(長崎市文教町)の教員がそれぞれの専門分野の視点から長崎の歴史を探求する書籍「今と昔の長崎に遊ぶ(九州大学出版会)」が9月10日、発売から3カ月を迎えた。

「今と昔の長崎に遊ぶ」の目次

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 同書は居住地である「長崎」をキーワードにさまざまな視点から地域の解析を試みようと、長崎大学地域文化研究会のメンバーが執筆。研究会は、当時長崎大学付属図書館長を務めていた増崎英明さんを中心に長崎大学で教鞭を執る教員らが領域横断的に集合して2019年8月に結成され、同大学で2020年度から全学教育向けに長崎学の講義を設定。昨年7月に参加した教員らに呼び掛け、講義の内容を中心に長崎開港から現在までを歴史を時代ごとにオムニバス形式でまとめて1冊の本にした。

 室町時代末期に当たる1571年、ポルトガル人が貿易やキリスト教の布教を行う拠点として開港した歴史的経緯から、2つの世界遺産を有する現代までの450年にわたる長崎の歴史を取り扱う。自然、地誌、歴史、文化、教育、言語、医療などの研究者や教育者17人が時代ごとのトピックスにテーマを絞り専門分野の立場からひもとく。

 幕末期の長崎における海軍伝習について執筆し、本の編集にも携わった同大学経済学部の南森茂太准教授は日本経済史が専門。幕末期に蘭(らん)学を学び、明治初期に地租改正や公選民会の実現に寄与した神田孝平の政策論を研究している。奈良県出身で5年ほど前に長崎大学に赴任したことから長崎の歴史をより深く知ったという。

 読者からは「原爆というと広島について書かれていることが多く、長崎の原爆について深くまとめられた内容が興味深かった」「長崎というと出島やオランダとの貿易のイメージが定着しているが、ポルトガルとの貿易で開港した経緯が興味深い」などという感想が寄せられているという。南森准教授は「時代ごとに移り変わりながらも日本の発展に大きく貢献してきた長崎の歴史をさまざまな分野の専門家が独自の視点から捉え、開港450年というタイミングで本にまとめることができた。コロナ禍でなければもっと大々的にアピールしたかった」と話す。

 「郷土史全体の問題として各地でリタイアされた先生が単独で研究していることが多く、系譜として残らないという問題を抱えている。研究会として組織的に研究し、本にまとめることができたのは画期的なことではないか」とも。「縁があって長崎大学に通う学生にとっても長崎の歴史を知らないまま卒業していくのはもったいない。本として残すことで長崎の歴史を知るきっかけになり、多くの人に読み続けてもらえれば」と期待を寄せる。

 A5判、330ページ。価格は2400円(税抜)。市内書店のほかインターネットで購入できる。

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