昭和に見られたオート三輪の石焼き芋店を再現するイベントが12月3日、SGTガレージ(長崎市琴海戸根原町)で行われた。
ユニバーサルガード(玉園町)社長の田崎相さんが企画した同イベントは、昨年夏に雨ざらしの状態で放置されたオート三輪K360を見つけ譲り受けたことがきっかけ。車を見つけたとき「ドキドキワクワクする石焼き芋屋さんができる」と感じたという田崎さん。すぐにフルレストアを行い、走行可能な状態まで復活させた。おもちゃのパッケージになっているオート三輪で焼き芋を売る昭和レトロなイメージに合わせ荷台に焼き台を積んだ屋台のような屋根を架装し、当時の「焼き芋カー」の雰囲気に仕上げた。
焼き芋に使うサツマイモは田崎さんの仲間で「VEGE CREATE(ベジクリエイト)」(五島市)社長の出口修一さんが育てた「シルクスイート」を用意。イベント前からSNSで「想像以上の盛り上がりを見せていた」ことから、当日は出口さんも追加でサツマイモを持って駆けつけ、芋を焼いてイベントを盛り上げた。
会場には多くの見物客が訪れ、用意した300本以上の焼き芋と犬用の焼き芋が完売した。田崎さんが所有するネイラー・Hutson TF1700やスバル・サンバートラック、田崎さんの仲間らが所有する米国仕様のダットサンフェアリディなど希少な旧車が並び、「焼き芋カー」やガレージに並ぶ昭和レトロなアイテムとともに「一夜限りの博物館」として見物客を楽しませた。
併せて、田崎さんの仲間で「坂口養蜂」(諫早市)の坂口さん夫婦がハニーホットドリンクを、会場近くでイチゴを育てる「わたる農園」(琴海戸根原町)のイチゴなどを販売するなどした。
8日までインスタグラムで行ったフォトコンテストでは旧車や昭和レトロの雰囲気を収めた写真と共に、「とても楽しかった」「またイベントをしてほしい」などのコメントも寄せられた。10日に発表したフォトコンテストの優勝者は、長崎市内から家族で訪れた森田祐介さんの作品に決定。「ばあちゃんちの引き出しから見つかった昭和98年、当時の写真」として投稿した写真は焼き芋を持つ長男・凱仁くんをモデルに「祖母の家の引き出しから当時の写真が出てきたら」という設定で古写真風にオマージュし、レトロな質感に仕上げた。田崎さんは「イベントの世界観を子ども満面の笑みと共に、あたかも『当時』の思い出の写真のように昇華させ、イベントを広めてくれた一枚になったのでは」と話す。
来年1月21日には、「第1回SGT GARAGE SALE」も開催。田崎さんは「ガレージセールは1970年代のアメリカでリサイクル運動の一つとして盛んになった自宅ガレージ前で行うイベント。盛り上げてくれる仲間とともに老若男女問わず楽しんでもらえることを続けていきたい」と意気込む。