平和と祈りのクリスマスコンサートとイルミネーション点灯式が12月2日、天主公園（長崎市平和町）で行われた。

原爆犠牲者への追悼の意を込めたキャンドル

　平和町商店街振興組合の有志から成る「浦上平和プロジェクト」が周辺自治体などの協力も得て2020年から行い、今年で4回目となる同イベント。16時にスタートした平和と祈りのクリスマスコンサートでは市立山里小学校ブラスバンド部による演奏や変面ショーなどが披露された。

　17時40分に始まった点灯式では同組合の城尾昭寛会長が公園の浦上天主堂側に設置されたキャンドルライトは原爆犠牲者を追悼する祈りの灯火と紹介。「イルミネーションは平和の尊さとともに世界に平和を発信する希望の輝きになれば」とあいさつ。1日までニューヨーク国連本部で開催されていた核兵器禁止条約締約国会議から帰国したばかりという鈴木史朗長崎市長は「爆心地近くにあった浦上天主堂は復興の象徴ともいえる存在。教会のすぐそばにある公園で平和を願うイベントが行われるのは意義深い」と述べた。

　会場に集まった多くの地域住民らも参加し、カウントダウンするとツリーやハート型のオブシェや公園周辺に設置されたイルミネーションが一斉に点灯。大きな歓声が上がった。浦上天主堂のアンジェラスの鐘が鳴り響く18時に合わせて全員で黙とうを捧げ、原爆犠牲者の冥福と平和を願った。

　コンサート第2部では市立山里中学校ブラスバンド部による演奏などが披露されたほか、平和町商店街が主催するビンゴ大会で盛り上がった。

　会場の天主公園は2021年春にリニューアル。周囲を覆う木や浦上天主堂側の壁を撤去したことから、同教会のライトアップと一体となりクリスマスシーズンを彩るきらびやかな空間を楽しむことができる。

　点灯時間は17時～24時。来年1月8日まで。