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長崎・浜市アーケードで商店街総出演のCM撮影-楽団を先頭にパレード

アーケード中央四つ角でのフィナーレ撮影でタクトを振る本田会長(高橋幸秀さん撮影)

アーケード中央四つ角でのフィナーレ撮影でタクトを振る本田会長(高橋幸秀さん撮影)

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 ハマスカ実行委員会(長崎市浜町)は11月8日、浜市アーケード全域を使って商店街関係者総出演を目的とした「浜んまちCM」のオープン撮影を行った。

ビデオカメラを載せた軽トラックに続くパレード参加者ら

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 浜市アーケードは長崎市中心部の浜町エリアのうち、築町から鍛冶屋町方向に伸びる約350メートルのアーケード。ハマスカ実行委員会のハマスカとは「浜んまちストリートカルチャー」の略語で、浜町エリアのストリートから始まる文化の発信と「リアル浜ぶら」情報を発信するために商店主らで組織された団体。昭和のころまでは長崎で「まち」と言えば浜町のことを指していたことから、地元では長崎一の繁華街であった浜町をぶらぶら散策するという意味で「浜ぶら」という言葉を今でも使う。

 同委員会の会合では以前から「浜町のプロモーション映像が欲しい」という意見があり、地元の素人が出演して作り上げたいという漠然としたアイデアがあった。ある日、アメリカ・ミシガン州のグランドラピッドという町のプロモーション動画がユーチューブで500万回以上再生されているという情報が入ってきた。「10分足らずのその動画にはギターを片手に歌う男性が現れ、その歌を次々に別の人たちがリレーしていく。沿道にはたくさんの人々、中には結婚式の男女も現れ、街中の老若男女、警察や消防隊までもがパトカーや消防車を出動させて1本の動画撮影に協力している。日本ではまず考えられないようなラストシーンには本当に驚いた」とスタッフの安元哲男さんは話す。

 今年5月ごろからメンバーで企画の検討に入り、7月ごろにほぼ内容が具体化して今回の撮影に結びついた。浜市アーケードには約150店が立ち並び、従業員などの関係者は約1900人に及ぶ。「沿道の関係者ほぼ総出演で楽団の先導でアーケードをパレードし、周りではみんなが笑顔で応援するというスタイルが固まった。この映像をネットで公開することにより、関係者がより自分たちの『まち』への参加意識や当事者意識を持ち、それが話題とにぎわいがあふれる浜市につながる」と安元さん。動画の撮影、編集は以前から協力関係があった長崎県立大学シーボルト校の「映像制作集団シーボ」が、楽器演奏は「OMURA室内合奏団」が、それぞれ担当する。

 軽トラックに3台のビデオカメラを搭載し、同委員会の本田時夫会長がメガホンで沿道の商店街関係者らにスタンバイを指示。午前11時、「ラデツキー行進曲」が流れると、軽トラックはエンジンをかけずに男性スタッフの手で押されながら鍛冶屋町側のミスタードーナツ前を出発。先頭の楽団が楽器を演奏しながらパレードが始まると、沿道で商店街関係者らが笑顔で手を振る姿がビデオカメラに収められながら、次々にパレード参加者が増えていき、ゴール地点の鉄橋側ではアーケードの道幅いっぱいに埋め尽くしたパレード参加者が、一斉に笑顔でビデオカメラに向かって手を振った。パレード終了後、参加者らは中央四つ角のマクドナルド前に集合し、フィナーレの撮影を行って収録を終えた。

 本田会長は「長年の商店街活動を通じて実感するのは、売り出しや人集めイベントでは、もう商店街の魅力にはならないこと。長崎市民も県外からのお客さまも商店街に売ってあるものだけではなく、そこで活動し生活する人の魅力や街の空気に引き寄せられている。その空気が沈めば滅びに向かう。今の街のパワーを見えるようにして、長崎市や県や日本にとどまらず、世界中の人に私たちの思いを知ってほしい。小さな一歩だろうが他の商店街や地域が『自分たちもやろう!』と思ってくれるきっかけの一歩になれば」と力を込める。

 映像はすでに撮影済みの「朝の開店風景」を加え、パレード、フィナーレを7分程度の3部構成に編集する予定で、11月末~12月初めの完成を目指す。完成後はユーチューブで配信し、ソーシャルメディアなどを活用して拡散する予定。

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