長崎県美術館（長崎市出島町、TEL 095-833-2110）で現在、長崎ゆかりの日本画家「松尾敏男回顧展」が開催されている。

　　松尾さんは1926（大正15）年、長崎市今籠町に生まれ、3歳までを長崎で過ごし、上京後17歳で堅山南風に入門。戦後、新進気鋭の日本画家としてスタートし、1949（昭和24）年に再興第34回院展に初入選。その後、日本美術院を主な活動拠点として画業にまい進し、昨年末には日本美術院理事長に就任。84歳になった現在も後進の指導に当たっている。

　　 同展は今年2月に東京、6月に名古屋、8月には福岡と開催されており、初期の作品から新作まで松尾さん自身が厳選した44点を一堂に展示して60年の画業を展望する。

　松尾さんの作品の題材は花鳥画から人物群像まで幅広く、取材先も北海道、中国、インド、ヨーロッパへと多方面にテーマを求めている。この間に日本芸術院賞をはじめとする数々の受賞歴が松尾芸術の独自性、テーマ性、高度な技巧への高い評価を物語っている。

　　 同館担当者は「松尾先生の作品は当館でも所蔵しており、見てもらういい機会。17歳から画業に取り組んでこられた軌跡を、若い人たちにこそぜひ見てもらいたい」と話す。

　　　開館時間は10時～20時。入場料は、一般＝900円、大学生・70歳以上＝700円、高校生＝500円、中学生以下無料。11月14日まで（10月25日、11月8日は休館）。