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長崎で「トイレタイムス」発行 「110人に聞きました」

トイレタイムス 第2号

トイレタイムス 第2号

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 長崎の市民団体「みんなにやさしいトイレ会議」は3月31日、トイレに関する情報を集めた情報誌「トイレタイムス」第2号を発行した。

「みんなにやさしいトイレ会議」オリジナルトートバッグ

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 同団体の実行委員長・竹中晴美さんは28年前、現在も続いている女性のための健康イベント「長崎ウーマンズ・ウオークラリー」を立ち上げた。4月1日、長年にわたるウオークラリーの活動に対し、長崎市から市政功労表彰が贈られた。

 女性にとって街歩きイベントでは清潔で安全なトイレ環境は必須。立ち上げ当時、事前調査で長崎市内のトイレ事情を調べた竹中さんは、あまりにもひどい現状に驚いたという。

 「公衆トイレの立地状況や臭い、女性に対する使い勝手が十分ではない設計など、女性の目線から見て使いづらい施設になっていることが見えてきた」と竹中さん。それまでは特にトイレに関心があったわけではないが、なかなか状況が変わらないことで関心が深まった。

 「最初は男性が設計しているから使い勝手の視点が違うと思っていた」が、きちんと調べてデータを出すことで改善につなげようとしたところ、あらゆる課題が隠れていることに気づいた。思ったよりも奥が深いテーマであることがわかったという。

 竹中さんは「みんなにやさしいトイレ会議」を立ち上げ、トイレに関する啓発活動やシンポジウムの開催、公衆トイレの改修を行政側に提言するなど、トイレの専門家としての地位を少しずつ築き上げてきた。

 「トイレは設備だけの問題ではなく、健康問題でもあり、マナーや人間性の問題でもある。自分の考えを人に押し付けるつもりは全くないが、こんなに面白く楽しいテーマはないと気づいた。これからもトイレに夢中になるだろう」とも。

 竹中さんは2年前に発行した「トイレタイムス」創刊号について「内容が不十分だった」と振り返る。その後、トイレ事業は長崎市が推進する「まちぶらプロジェクト」に正式採用された。竹中さんらの活動は、市民活動に対して市民が選ぶ「ランタナ大賞」を受賞。ほかにも平成26年度の「グッドトイレ選奨」(日本トイレ協会主催)、「ながさき・おもてなし表彰・知事賞」(長崎県主催)をそれぞれ受賞した。

 「長年の活動がようやく評価された。一つの区切りとして、これまでの活動をきちんと伝えるため、紙媒体として残そうと思った」と発行した動機を説明する。今回はデザインやレイアウト、企画の内容にもとことんこだわって仕上げた。「本業がコピーライターなので単なる情報誌ではなく、読み物として価値あるものに仕上げたかった」とも。

 トイレタイムスの副題は「みんなで考える、入りたいトイレ」。トップページの企画は「110人(トイレの語呂合わせ)に聞きました」。長崎市長や大学教授、行政職員、音楽家、自営業者、学生、ライターなど、あらゆる立場の110人の市民に「あなたにとってトイレとは」と投げ掛けた回答が並ぶ。そのほか、まちかどトイレに関する詳細な情報や公衆トイレ改修提言などの活動実績報告。トイレの「つぶやき」川柳から優秀な9作品を紹介する。

 A2サイズ、両面カラー印刷、四つ折。発行部数は1000部。今月のミーティングで配布場所などを決定する。

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