学ぶ・知る

長崎新聞の配達動画がユーチューブで話題に 映像作家・永川優樹さんが制作

  • 0

  •  

 長崎新聞社(長崎市茂里町)が9月2日、ユーチューブに公開した新聞配達の動画が話題になっている。

[広告]

 同社が新しい輪転機に更新したことを記念して、GPSによる新聞配達ルート可視化プロジェクト「The Way」に取り組む一環として制作した動画は、デジタルメディアが隆盛を極める時代に新聞の原点である「人が人に直接届ける」という行為を俯瞰(ふかん)的に再確認するもの。新聞の今後あるべき姿を改めて見つめ直そうというコンセプトで、映像作家・永川優樹さんが制作した。

 永川さんは1978(昭和53)年、長崎県生まれ。九州大学大学院終了後、大手広告代理店・電通へ入社。在職中に地域ブランドなどの研究開発に携わった永川さんは2010年、電通を退社して「WORLD-CRUISE」を立ち上げ、世界中の都市生活や自然環境を映像資産として記録するプロジェクトに取り組んでいる。世界中で人気になった動画は「Yahoo!JAPAN Internet Creative Award 2011」でグランプリを受賞した。

 長崎の早朝風景の後、午前0時15分に新聞印刷が始まるところからスタートする動画は、刷り上った新聞が長崎新聞本社を次々に出発して県内各地に配達されていく様子を映し出す。同社が受け持つ長崎県は594の離島と総延長4189キロに及ぶ海岸線があり、日本で最も複雑な交通網を抱えるという。

 0時35分、最初に刷り上った新聞が長崎港から船に積み込まれて五島へ出発。3時37分には別ルートで島原・南有馬販売センターに到着。5時11分、野母崎の国道をバイクで疾走する配達員の背中をカメラが追うころ、五島・福江港にようやく新聞が到着する。5時45分の波佐見町の配達風景に続き、遠く離れた五島・堂崎天主堂に配達員が到着するのは6時29分。8時20分には空路で対馬空港に新聞が到着する。長崎市内に日常の朝が始まるころ、多くの配達員が勤務を終える。最後はGPSで追った配達ルートが、グーグルマップ上に光の線として映し出される。

 同プロジェクトではユーチューブ動画とは別に、配達ルートが俯瞰できる専用サイトを公開。グーグルマップを移動したり、拡大・縮小したり、本社出発から配達完了(16時間30分)までの配達ルートを任意の時刻に動かしたりして自由に見ることができる。

 動画の再生回数は9月4日時点で1万2700回を超え、「感動した」「素晴らしいビデオ」など海外からも含めて37件のコメントが投稿されている。

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース