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「長崎飲食サミット」開催-地元業界をけん引する経営者6人が討論

長崎の飲食経営者6人によるパネルディスカッション

長崎の飲食経営者6人によるパネルディスカッション

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  長崎を「食」で活性化したいという有志が集まり企画された「第1回長崎飲食サミット」が10月20日、メルカ築町(長崎市築町)で開催された。

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  同実行委員会の東雄一さんは「仕事は異業種だが、以前から飲食関係のイベントの手伝いなどをさせてもらう機会があった。今年初めに『飲食業界から長崎を元気にする』というコンセプトのイベントをやろうという話が持ち上がり、紆余(うよ)曲折しながらも実現できたのがうれしい」と話す。定員300人の大ホールは、イベント後半にはほぼ満席状態になった。

 オープニングセレモニーで西方小天鼓の勇壮な和太鼓演奏が披露されると会場からは大きな拍手が沸いた。その後の第1部では、朝礼で有名な「和風ご馳走屋てっぺん」(西彼杵郡時津町)のスタッフが気合いたっぷりの朝礼を再現した。大声で笑ったり、手をたたいたりする様子に参加者もつられて笑う場面も。その後は幅広いスタッフが登壇し、仲間に恵まれたことや仕事に懸ける情熱を自分の言葉と体を使って力いっぱいにプレゼンテーションした。

 祝辞に訪れた田上長崎市長は「今一番良くないことは下向き。まず元気を出さないと何もできない。今、長崎市も積極的に『食』に力を入れているので意義深い取り組み」とエールを送った。「熊本を飲食から盛り上げる会」による事例報告も行われ、イベントの模様を映し出すビデオや代表者の取り組みの話に注目が集まった。

 第2部では飲食店スタッフによるパネルディスカッションが行われ、飲食店スタッフ5人が登壇。「仕事で学んだことは?」の問いに、居酒屋五平太の福田将秀さんは「今までの自分にはなかった積極性と、朝礼を通じて声出しが身に付いた」と話す。各店自慢の取り組みについては、串焼きまねき家の田原健吾さんが「グラスの状態から一貫してうまい生ビールを飲んでもらうための泡切り。ビールメーカーの研修は必ず全員が受ける」と答えた。司会者からのリクエストで田原さんが身振り手振りで「泡切り」の実演を行うと、会場からは笑い声や拍手が起こった。

 第2部の司会を務めた「鳥現」の安永現人社長は「一番大切なのは全員での情報共有。店や業態は違っても共有した情報を創意工夫することで、すべての接客に生かしてほしい」と提言する。

 第3部は、長崎の飲食業界をけん引する経営者6人のパネルディスカッション「長崎飲食サミット」。テーマは「飲食店の経営力」。苦境をどのように乗り越えたかとの問いに、「竹村グループ」竹村義隆社長は「自分は常に悪い時だと考えている。守るものとてんびんにかけ、撤退は社長が素早く決断するしかない」と決断の重要性を話すと、「老李グループ」李宗賢社長が「過去に11店閉めた。必ず同じ失敗を繰り返さず学ぶこと。そして以前より飛躍すること」と、失敗を成功に変えることを説いた。

 質問が人材育成に及ぶと、「居ざけ屋グループ」井上今朝義社長は「人は学ぶ主体であり、学ばせる客体ではない。学ぶ意欲こそ大切。教えるのではない」と話し、「和風ご馳走屋てっぺん」今村正義社長が「ナンバー3はナンバー2に、ナンバー2はナンバー1に何ができるかを常に考えるべき。ナンバー1は一番学ばねばならない」と力を込める。

 そのほか、「御飯グループ」吉村常弘社長や「串乃屋グループ」小西貴之社長などのベテランや若手経営者の話に、会場ではうなずいたりメモを取る人の姿が見られた。

 実行委員会の浦川たつのりさんは「事前の準備に時間がなかった割には皆さんの協力もあって多くの人に来てもらい成功だと思う。情熱に感動して一緒に取り組んだ。思いを共有するということは本当に素晴らしい」と締めくくった。

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