長崎県内で全編ロケが行われた映画「いろは」の完成披露試写会が4月16日、ユナイテッドシネマ長崎(長崎市尾上町)で行われ、横尾初喜監督と県民キャストらが舞台あいさつを行った。
長崎県出身者が立ち上げ、映画を通して「故郷である長崎を継続的に盛り上げること」を目的とする「長崎 MOVIE PROJECT」の一環で製作された同作。横尾監督がメガホンを取り、同じく長崎県内で全編ロケが行われた映画「こはく」(2019)、「こん、こん。」(2023)に続く3作目。不透明な将来に不安を感じ、今の自分に納得のいかないまま実家暮らしを続け、「自主性ゼロ。自己主張ナシ。お姉ちゃんが大嫌い。自分のことが大嫌い」という主人公・伊呂波が姉・花蓮の突然の帰省をきっかけに花蓮のおなかの子の父親候補を探す長崎横断ドライブの旅に出かける青春ロードムービ―。旅路を通じて自身を受け入れていく様子を描く。
伊呂波役を川島鈴遥さん、花蓮役を森田想さん、母・和葉役に鶴田真由さん、2人が道中訪れる民宿の女将(おかみ)役を遠藤久美子さんが、それぞれ演じる。2024年9月に県民キャスト22人が決まり、長崎や諫早、佐世保、雲仙の長崎県内4市でロケを行っていた。
舞台あいさつに登壇した横尾監督は、同作のストーリーを描いたきっかけについて、「前作の撮影時に『やりたいことがあるけど一歩が踏み出せない』『自分に自身が持てない』といった相談を何人かから受けたことが『自分を好きになることの大切さ』という今作のテーマにつながった」と振り返る。舞台あいさつには県民キャストら15人も登壇。地元情報番組でマルチタレントとして活動し、同作では民宿を営む遠藤さんの姉役として出演した石本愛さんは「テレビでは30年ほど活動してきたが映画出演は初めての経験。役作りのために引き算するのは難しかった」と振り返る。作品を見た県民キャストからは「作品の中で美しく描かれている長崎の街並み楽しんでほしい」「伊呂波と同じように姉妹がいるので共感する部分もあり、作品を見ながら涙してしまった」などの声もあった。長崎で映画を撮り続ける理由について、「長崎の人の温かさを日本・世界に届けられたら」と話す横尾監督。公開を前に「姉妹の物語で、人生の葛藤なども含まれた映画ではないか。ぜひ応援してもらえれば」と呼びかける。
映画は5月8日、長崎県内で先行公開。22日から順次、全国公開。