きかせられないけど聴かせたい-長崎の人気ラジオ番組休止へ

第258回放送の収録風景。林田さん(左)と村山さん(右)

第258回放送の収録風景。林田さん(左)と村山さん(右)

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 NBCラジオ(長崎市上町)の人気番組「きかせられないラジオ」が3月29日の放送を最後に休止する。

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 同番組は同局のアナウンサーである林田繁和さんと村山仁志さんが「40代の2人がサブカルチャーについてディープに語り合う」30分のラジオ番組。林田さんは村山さんの1年先輩に当たり、村山さんが入社1年目だった約18年前に2人で同様の番組を放送していたことがある。当時はインターネットが今のように発達していない時代。オタク文化の象徴である「漫画」「アニメ」「ゲーム」を取り上げて熱く語り合い、毎週リスナーから寄せられた台本を元にラジオドラマを放送していたという。村山さんは同番組内で当時を思い出しながら「恥ずかしい過去」と振り返っている。

 放送開始は2009年4月11日で放送は収録形式で行われた。放送開始当初からポッドキャストによるインターネット配信を行ったり、途中からユーストリームによる収録風景の配信を行ったりしているためラジオ番組の受信エリア以外にも国内・海外を問わずファンが存在する。通常、番組が収録したものであっても番組内では明かさないが、同番組ではたびたび収録であることを堂々と明かすなど型破りな放送を続けてきた。

 過去の放送では放送中にガンプラ(人気アニメ「ガンダム」のプラモデル)を組み立てたり、プライベートで長崎に旅行に来ていたアニメや漫画界の有名人に出演交渉を試みて出演させたりしたことがあるほか、学生時代に林田さんが「落語研究会」、村山さんが「ミュージカル研究会」に所属していたことから同分野について語った回もある。また不定期で「大雑談大会」と称してリスナーからのメッセージを集中的に紹介している。

 2011年3月10日に放送した「100回記念番組ユーストリーム放送」では番組公式オリジナルキャラクター「きかラジたん」を発表。アニメーターの経験がある西村誠芳さんが投稿した作品を元にデザインされたため、西村さんは2人から「パパラジたん」と呼ばれているという。「きかラジたん育成計画」と称するコーナーも設けられリスナーによるイラストやアニメなどの投稿や、プロのイラストレーターや漫画家も参加して番組が盛り上がった。

 本放送は今月22日の第258回放送で終了。同局では今月29日16時から同日限りの特別番組「きかラジ プラスワン」を放送する。通常は収録だが同日は生放送するほか、ユーストリーム配信は15時30分から配信する予定。1週間遅れで放送している県外の放送局は22日に放送された内容を放送する。

 林田さんは「人様には『きかせられない話』で始まって5年。それまでのローカルラジオでは想像もできなかった拡がりのなかでたくさんの宝物をいただきました。皆様にただただ感謝です」とコメント。村山さんは「最終回収録のユーストリームに届いた全国からのメッセージに頭が下がりました。まさにラジオ&ネットの『変革の波』に乗った番組だったと思います。5年間、ありがとうございました」と振り返った。番組担当者は「今後は特別番組や数カ月に一度などの方法で同番組を復活させたい」と話す。

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