子ども服ブランド「SSSmile」が長崎の小学生をモデル起用-東京のショーに出演

BMStokyoに参加したKAORUさん

BMStokyoに参加したKAORUさん

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 長崎市内の小学1年生の女児が子ども服ブランド「SSSmile」(スリースマイル)のブランドモデルに選ばれ、昨年12月に東京で開かれたファッションショー「BEAUTY MY SELECTION tokyo」(BMStokyo)のステージを務めた。

撮影中のKAORUさん

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 同ブランドモデルに選ばれたのは長崎市内に住む小学1年生、KAORUさん(6)。「4人兄弟の末っ子で、昨年初めまで本人は何もやっていなかった。目標らしいものも特になかった。唯一、アイドルになりたいと言うので、何でもいいから夢中になれることをやらせたいと思ってきっかけを探していた」と話す母親の利恵さん。昨年6月、発足したばかりのキッズモデル事務所「ながさkids」の存在を知った利恵さんは早速、参加を申し込んだ。

 毎週水曜日、バスを乗り継いで参加するレッスンを欠かさなかったKAORUさん。「親のひいき目かもしれないが、短期間で見る見るたくましく変化してきた。何か体の中から自信があふれているのが伝わってきた」と利恵さん。俳優でモデルマスター協会インストラクターの吉田ヒトシさんを同事務所が東京から招いて行ったウオーキングレッスンにもKAORUさんは積極的に参加した。吉田さんは代官山コレクションキッズなどファッションショーのプロデュースも手掛ける。

 昨年7月にはKAORUさんを含むメンバー3人がファッション関連フリーペーパー「美toBE」(昨年11月創刊、神奈川県川崎市)のキッズモデルに合格。9月後半にフリーペーパー用の写真撮影が予定されていたが、9月初めに行われた「長崎コレクション」(昨年11月に長崎市内で行われたファッションショー)オーディションの合格通知が届いた直後、KAORUさんはレッスンに参加した休み時間に誤って転倒。あごの下を切り大量出血したという。

 「慌てて外科に連れて行ったところ、顔に傷が残るからすぐに形成外科に行った方がいいと別の病院を紹介された。先生の的確な判断に感謝している」と振り返る利恵さん。傷は14針も縫うほどの大けが。写真撮影の1週間前に抜糸した際には顔が大きく腫れていたが、撮影日には目立たない程度に回復。傷もほとんど残っておらず無事に撮影を終えた。そのころから同事務所の長崎県内での活動も活発化し、ファッションショーやハロウィーンパーティーなどメンバーの子どもたちは多くのイベントで活躍した。

 東京で行われるファッションショーのブランドモデルオーディションへの参加を打診していた同事務所。長崎から実際のオーディションに参加するメンバーの負担を軽減するため、ビデオでのオーディション参加を願い出たところ特別に許可された。

 ビデオオーディションに参加したKAORUさんに子ども服ブランド「SSSmile」からファッションショーのブランドモデルとして起用したいと連絡が届いた。ファッションショーの参加者は1週間前に東京で行われるリハーサルに参加することになっているが、KAORUさんは長崎コレクションのプロデュースで来崎した吉田ヒトシさんからリハーサルを受けることで東京でのリハーサルを免除された。しかしながら、実際のステージには「ぶっつけ本番」で参加することになった6歳のKAORUさん。利恵さんと2人きりで東京に向かったが、到着した日の夕方から高熱を発して苦しむことになる。

 利恵さんは「本番直前、東京のリハーサルで手渡された資料を自分たちが一切持っていないことにも気づいた。舞台裏に貼られたタイムスケジュールをスマートフォンで撮影して覚えさせたり、ほかの参加者にいろいろ教えてもらったりして何とか切り抜けた。長崎から来たと話すと驚かれたが、皆さんにとても親切にしてもらった」と話す。

 KAORUさんは高熱のままステージをしっかり務めたほか、「せっかく長崎から東京まで来たから」と主催者側が用意した別ステージとの合計2ステージを笑顔でこなしたという。利恵さんは「ながさkidsに参加して、わずか2カ月で状況が急激に変わった。娘の心にプロ意識のようなものが生まれたのかもしれない。誰一人知っている人がいない大都会での大舞台。大人の私でも相当辛いと思うが、少し前まで甘えん坊だった子がこんなにたくましくなるとは思わなかった。娘がやりたいと思うことをこれからもサポートしていきたい」とほほ笑む。

 KAORUさんは「面白かったよ」と子どもらしい笑顔を見せた。

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