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県美術館で長崎日大高デザイン科卒業制作展-映像作品上映も

岡田遼太さんの作品「少年バンプ」を読む来場者

岡田遼太さんの作品「少年バンプ」を読む来場者

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  長崎日本大学高等学校デザイン美術科(諫早市貝津町)の卒業制作展が11月3日から長崎県美術館(長崎市出島町)で始まり、父兄や美術に関心がある多くの市民が訪れている。

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  同展はデザイン美術科が発足して以来、毎年開かれており今回で43回目。アクリル画から水彩画、パステル画、立体作品、映像作品まで幅広い卒業制作35点と在校生の課題作品などが展示されている。

  実行委員長の楠本梨乃さんは「私たちは卒業制作に取り組むにあたり、『BANG』という爆発を連想させるテーマを掲げた。持てる力のすべてを出し尽くすという意気込みと、多くの人に見てほしいという思いと同時に、高校生の作品として『上手にできたね』で済まされてたまるかという激しい思いも込めた」と話す。同展は卒業生自身が実行委員会を組織し、広報から総務、編集、展示計画に至るまで生徒自らですべて運営している。

  太田祐介さんの「鯨船」は人間が暮らす人工クジラをイメージした立体作品、前田綾香さんの「Sign」はさまざまな進路の進み方を標識として表現したユニークな作品。今年亡くなった祖父への思いを和紙と墨、アクリルで表現した山口阿寿紗さんの大型作品「grandad」などの力作が並ぶ。

  全国レベルの大会「高校生アートコンペディション2009」漫画部門で入賞経験がある岡田遼太さんは「同級生の中で男子は私を含めてたった5人しかいないので、互いに仲がいい。この5人の物語を漫画にしたら面白そうだろうなと思って描いてみた。3年間の血と汗と涙の集大成を『少年バンプ』という作品に込めた」と壁一面に張られたストーリー漫画を指さしながら話す。

  会場中央に設けられたブースでは、人間の感覚から離れた目線を追求した入江彩華さんの映像短編「目線」や、若者の感覚のまひと気付きをテーマにした迎佳奈さんのアニメーション短編「Antiknock’s birth」などが上映され、来場者は腕組みしたり、うなずいたりしながら鑑賞している。

  顧問の木本和幸教諭は「ここから輩出された先輩の作品には、長崎県のマークや缶コーヒーのデザインなど日本の広告業界やデザインの第一線で活躍する人材が多数存在し、生徒たちもそれを誇りに感じている。一人ひとりが自分の目標を明確に持っているので、互いに切磋琢磨(せっさたくま)する意識レベルが非常に高い。教える立場の自分が逆に生徒たちから教えられる部分もたくさんある。彼らの力作をぜひ見に来てほしい」と来場を呼びかける。

開館時間は10時~20時。入場無料。今月7日まで。

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