長崎市諏訪町に4月24日、個性派古書店「ひとやすみ書店」が閉店から1年ぶりに移転オープンした。

おすすめの本を手にする城下康明さん

　築町で営業し、昨年3月末でいったん閉店した予約制古書店を発展させた同店。店主の城下康明さん（29）がセレクトした古書を中心に新刊もそろえる。マンションの一室を改装した店内には、以前の店にはなかったコーヒースタンドを併設した。

　「以前はサービスでコーヒーを出していたが、ゆっくり楽しんでもらうためコーヒースタンドを併設することにした。豆はこだわって『カリオモンズコーヒーロースター』（時津町）から仕入れている」と城下さん。ペーパードリップとフレンチプレス（いずれも420円）から選べるが、「個人的にはコーヒーオイルが楽しめるフレンチプレスがおすすめ」。コーヒーのほかにも、ハイネケン（580円）、コロナ（600円）、スーパードライ（500円）などのビールやコーラ（300円）も用意する。

　スタッフのテディさん（28）は城下さんと小中学校を通じての同級生。同店の看板やメニューなどはテディさんが用意したもの。コーヒースタンドを手伝ったり、名刺などのデザインを請け負ったりしているテディさんは、国際結婚した両親を持つことから容姿は外国人にしか見えない。「初対面の人からは『どこから来られましたか？』と必ず聞かれるが、生まれも育ちも正真正銘のじげもん」とほほ笑む。「じげもん」とは長崎で生まれ育った人のこと。独学でデザインを学び、「感性を育てるのが一番大切」と話す。

　城下さんは「以前から新刊も取り扱いたいと思いながら、閉店後からじっくりと再開の準備を進めてきた。今、一番のおすすめは写真家の荒木経惟（通称＝アラーキー）さんが書いた『いい顔してる人』という本。『顔が一番恥ずかしい』という荒木さんの考え方にすごく共感した。あと1冊しか残っていないが、ぜひのぞきに来てほしい」と来店を呼び掛ける。

　営業時間は11時～22時。水曜定休。