長崎のカフェで「トニクロバザール」 雑貨店など6店が合同開催

来場を呼び掛ける柿田紀子さん

来場を呼び掛ける柿田紀子さん

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 長崎市中心部のカフェ「Tony&Chloe(トニー・アンド・クロエ)」(長崎市浜町)で12月21日、雑貨店やネイルサロン、子ども服などの6店が合同市場「トニクロバザール」を開催する。

JINNIAの子ども服

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 バザールとはブルガリア語で「市場」という意味。トニクロは同カフェの愛称で「隠れ家的な雰囲気」を好む常連客も多いという。

 主催する柿田紀子さんは、長崎市郊外の自宅で通信販売サイトを営む。10年ほど前、知人から「廃業した店から買い付けたレディース服が100着ほどある。試しに売ってみないか」と持ち掛けられたことがきっかけ。パソコンが得意な柿田さんは早速「ヤフーオークション(通称=ヤフオク)」に出品してみたが、さっぱり売れなかった。

 「安かったから仕入れてしまったが、自分の目からみてもデザインがかなり難点だった。何とか元を取り戻そうと思って必死に調べた」という柿田さんは、当初「チュニック(丈が長めの女性用上着)」として販売した商品を「カテゴリーを変えれば売れるかもしれない」と直感。チュニックの腹部に膨らませた風船を入れて写真を撮り直し、「マタニティー」として売り始めたところ、少しずつ成果が出てきたという。

 「画像を加工するにも高価なフォトショップ(画像処理ソフト)などはなく、パソコンに付属しているペイント(グラフィックソフト)を使って、少しでも着た時のイメージがおしゃれに見えるように加工した」と笑顔を見せる。手描きのメッセージカードを同梱するなど、工夫したことでファンが増え、多くがリピーターとなり売り上げが上昇した。しかし突然、仕入れルートが断たれてしまった柿田さんはパートで働く生活に戻らざるを得なくなる。

 その後、悶々(もんもん)とした日々を送っていたが「ヤフオクで活躍していたころの自分を取り戻したい」と一念発起。2012年、子ども服の買い付けのために誰も知り合いがいない韓国へ単身渡航する。仕入れた服の販売店を楽天市場に出店してネット通販を再開したところ、月商は200万円近くまで記録するようになった。

 「夫や家族は『誘拐されるのでは?』とかなり心配したようで、応援してくれている夫には特に悪いことをしたと思う。しかし不思議なことに、私は人の縁には恵まれている。多くの人に助けてもらいながらも、皆さんの役に立てれば」と力を込める。現在、柿田さんは通信販売事業やラメアート関連事業、コンサルティング事業などを手掛ける「Rise Arc Best(ライズアークベスト)」を運営。長崎県内の自治体や大手企業とのコラボレーションをはじめ、インバウンドによる観光事業などの企画立案・運営などの調整役を一人で手掛けている。

 同イベントには、アクセサリー店「pipi by GM」やハンドメード雑貨店「Maaya+n」、耳つぼジュエリーサロン「she’s salon」、ネイル店「flower」、多肉植物専門店「chimi」と、韓国子ども服・メンズ服の「JINNIA」の6店が出店する。柿田さんは「カフェの中を借りて行う初のバザール。ぜひ気軽に立ち寄ってほしい」と呼び掛ける。

 開催時間は10時~15時。入場無料。

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