長崎・茂木港で熊本地震復興支援「イルカウオッチング」

キズナ3号から見えるイルカ

キズナ3号から見えるイルカ

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 長崎市郊外の茂木港(長崎市茂木町)で5月29日、熊本地震復興支援イベント「長崎・苓北イルカウォッチング祭」が開催される。主催は苓北(れいほく)観光汽船(熊本県苓北町)。

茂木港と富岡港の位置関係

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 茂木町はJR長崎駅から車で20分ほどの場所にある市内南東部の橘湾に面する地域。1918(大正7)年には西彼杵郡茂木町として町制施行するなど港町として栄え、「長崎の奥座敷」と呼ばれるほど最盛期には海岸に並んだ料亭がにぎわっていた。1962(昭和37)年1月1日に長崎市に編入され、現在の「茂木町」は旧茂木町本郷名(みょう=当時、地区を意味した呼称)に該当し、ほかの地区はそれぞれ町名が割り振られている。

 苓北観光汽船は熊本県天草半島にある苓北町の高速船会社。苓北町富岡港と茂木港を約45分で結び、主に苓北町から長崎大学病院に通う通院患者の大切な足として使われてきたという。

 同イベントは長崎と苓北町の人的・物的交流の拡大に向け、航路の利用促進をアピールするとともに、熊本地震の復興支援のため茂木港で開催される地域イベントとのグリーン・ツーリズム(農山漁村を訪問し、自然や文化、人的交流をありのままに楽しむ余暇形態)コラボレーション。

 イルカウオッチングは、同社が所有する高速船「キズナ3号」(全長16.5メートル、総トン数19トン、定員60人)を利用して行い、参加費500円(小学生未満は無料)全額と同時に開催されるイベントの売り上げの一部を熊本地震災害本部に義援金として送る。10時(10時30分出港)と12時30分(13時出港)の2回、乗船を受け付ける。定員は各回先着40人。茂木帰港までの所要時間は約2時間。

 同港では苓北町産の岩かきや甘塩うに、冷凍たこなどの海産物、コメや晩柑(ばんかん)などの農作物の販売会を行うほか、地元の有志が集まって茂木の海産物、農産物やハンドメード雑貨、スイーツ販売や子ども向けワークショップを行う「ちんじんよかBY市」を開催する。「ちんじんよか」とは地元の方言で「とてもいい」という意味。開催時間は10時~15時。

 苓北観光汽船長崎営業所長で元長崎市役所職員の鉄本浩一郎さんは「天草の自然も茂木の自然も本当に癒やされる。いろいろな方の協力でイルカウオッチングを活用したイベントが実現した。今回楽しめる人数には制限があるが、これを機に本格的に事業として整備し、天草や茂木の魅力を多くの人に知ってもらいたい」と笑顔を見せる。

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