長崎・香焼町でサンゴ修復活動-ダイビングスクールの生徒らが参加

水中ボンドを手に作業する参加者

水中ボンドを手に作業する参加者

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 長崎市香焼町の辰の口海水浴場で11月18日、市内のダイビングスクールに通う生徒らが傷ついたサンゴの修復活動を行った。 

破損サンゴの回収に向かう前の寺田さんら(前田和彦さん撮影)

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 修復活動を行ったのはダイビングスクール「サンクチュアリー」(長崎市元船町、TEL 095-826-1106)代表でインストラクターの前田和彦さん(37)と生徒の寺田晋さん、森山香織さん、江花美香さん、橋本美幸さんの5人。辰の口海水浴場は九州では人気のダイビングスポット。前田さんは福岡や沖縄のダイビングショップで長年働き、ダイビングに関する知識や技術を身に着けてきた。同僚だった妻と結婚し2007(平成19)年9月に出身地である長崎で現在のダイビングスクールを始めた。

 サンゴは刺胞動物門花虫網に属する動物(サンゴ虫)のうち固い骨格を発達させる種。サンゴと共生している褐虫藻(かっちゅうそう)が光合成を行ってサンゴに栄養補給したり海水中に酸素を供給するが、サンゴが破損して褐虫藻が逃げ出したり、海水温が30度を超えると白化現象を起こし、白化が長期間にわたるとサンゴは死滅するという。「地元の海に潜っていて、破損サンゴがたくさんあることに気づいた。社員時代は各地で修復イベントに参加したが、長崎ではあまり行われていないので、2年前から自分で修復を始めた」と話す前田さん。8年ほど前に沖縄で行った「水中ボンドによる修復」を辰の口でコツコツと進めてきたという。

 前田さんは「サンゴ修復はボランティア活動だが、沖縄などで行われているようにツアーイベント化することで、長崎でも活発に行われるようになるのでは」と考え、今回、自らが主宰するスクールの生徒らに呼び掛け、寺田さんら4人が参加した。「自然保護の見地からサンゴは原則として触れてはならない規則になっているため、触れられないサンゴに触れられるということが、ついつい義務感になりがちな地道な補修作業を楽しいイベントに変えられたのではないか」と前田さんは振り返る。

 一般に1回のダイビング時間は40分が限度で、1日2回程度が限度だという。参加した生徒らは前田さんの指示に従い、1回目のダイビングで破損したサンゴの破片を丁寧に回収。昼食をはさんで2回目のダイビングでは、回収した破片を水中ボンドを使って元の位置に一つずつ固定していった。修復した場所には生育の経過を観察するためプラスティック製のプレートを設置。修復されたサンゴが完全に育った時点で今度はプレートがゴミにならないように責任をもって回収するという。

 「辰の口は魚も多いし、潮の流れもいい場所。沖縄に修復ツアーに行くのもいいが地元の自然を修復するのが本来の姿。今回の参加者にも『地元の自然保護に貢献できた上に大変楽しかった』と好評だった。養殖サンゴを移植する方法もあるが、本来そこにあったものを元の場所に戻すのが自然だと思う。これからも続けて、いつか自分たちの手で自分たちの海を美しいサンゴだらけの海にしたい」と意気込む。

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