プレスリリース

日本の教室から世界平和へ――壱岐市石田中学校「英語カルタ」と安八町「TOMODACHIうちわ」を海外実装

リリース発行企業:特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト

情報提供:

特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト(千葉県松戸市、代表:中村雄一)は、日本の学校や地域で行われている日常の学びを海外の教育現場へつなぐ「世界とつながる学び」において、長崎県壱岐市立石田中学校の生徒が制作した「英語カルタ」と、岐阜県安八町の子どもたちが制作した「TOMODACHIうちわ」を、ルワンダをはじめとする海外の教育現場で授業教材として活用しました。
英単語カードもうちわも、高価な専門教材ではありません。しかし、日本の子どもたちが自分の学びや思いを込めて制作し、海外の子どもたちが遊び、考え、発見する授業へと発展することで、教室と教室の間に新しい「学び合い」が生まれています。
本事例は、普段の教科学習や地域の自由参加型活動から、すべての子どもが世界平和の担い手になれることを示す教育実践です。

安八町の児童生徒が作成した「TOMODACHIうちわ」に喜ぶルワンダの子どもたち

■壱岐の中学1年生が、1年間の英語学習を世界へ
2026年3月5日、なかよし学園は長崎県壱岐市立石田中学校で講演会を実施しました。
世界各地の教育環境や紛争、貧困、平和構築をめぐる現状を知った生徒たちのうち、中学1年生が取り組んだのが「英語カルタ」の制作です。
なかよし学園のナビゲートのもと、中学1年の1年間で習った基礎英単語をカードにし、対応するカードを探す神経衰弱の要領でゲーム化しました。
これまで「覚える対象」だった英単語が、友達と楽しく学ぶための遊び道具となり、さらに海を越えて、世界の誰かの学びを助ける教材へと変わりました。

中学校1年間で習った英単語を「世界の誰かに教える」ことで自身の英語力向上と、誰かの英語学習支援を同時に実現する「英語カルタ」


作成した英語カルタを実際に自分たちで遊んでみて検証する生徒たち

生徒たちは1年間習った英単語のうち自分の思い入れのある単語を選びカード化した

■ルワンダの英語初学者が、遊びながら英単語を学習
石田中学校の生徒が制作した「英語カルタ」は、なかよし学園によってルワンダへ運ばれ、英語を学び始めた子どもたちを対象とする授業で活用されました。
カードを床や机に並べ、子どもたちは英単語を声に出しながら、絵や意味に対応するカードを探します。正解した喜びや、友達と相談する楽しさが、英語を学ぶきっかけとなりました。
教科書の音読や板書中心になりやすい学習環境に、「探す」「選ぶ」「声に出す」「友達と確かめ合う」という能動的な学習体験を取り入れることで、教室に自然な会話と笑顔が生まれました。
日本で英語を学んでいる中学生が作った教材だからこそ、英語初学者同士の距離を縮め、「間違えても挑戦できる」という安心感をつくることができます。

石田中の英語カルタで授業を行う中村里英事務局長

■暗記する英語から、世界とつながる「パスポート」へ
なかよし学園代表で授業統括を務め、自身も英語教師である中村雄一は、英語を無機質に暗記する教科ではなく、世界の人々とつながるための「パスポート」として楽しく学べる仕組みを教育現場に導入しています。
自分が覚えた単語がルワンダの子どもの学びに役立ち、その様子が写真や言葉で日本の教室へ戻ってくる。
この循環によって、生徒たちは「自分の学びには、世界の誰かを笑顔にする力がある」と実感できます。
学習内容を実社会で活用する成功体験は、日本側の生徒の学習意欲や自己効力感を高めます。一方、海外の子どもたちにとっては、日本の学校で生まれた教材を使って、楽しみながら新しい言葉を学ぶ機会になります。
どちらか一方が教えるのではなく、日本と世界の子どもたちが互いの学びを支え合う。それが、なかよし学園が実践する「学び合い」の教育です。

コミュニケーション力に優れるルワンダの生徒たちに「学び方」を指導し、この模様を日本の生徒児童に還元する。相互の学び合いが世界全体の平和を作る。

■安八町の願いから生まれた「TOMODACHIうちわ」
岐阜県安八町教育委員会となかよし学園は、2024年に安八町で実施した講演会を契機に、町内の小中学校で「世界とつながる学び」を続けてきました。
結小学校をはじめ、学校全体で活動に取り組む実践がある一方、学校や教員に新たな授業計画の負担をかけず、より多くの子どもたちが自分の意思で参加できる方法として生まれたのが「TOMODACHIうちわ」です。
きっかけは、2025年に経済産業省「探究校務改革支援補助金」事業として実施した「世界とつながる学びプロジェクト」でした。
安八町教育委員会から寄せられたのは、「登校している児童生徒だけでなく、不登校の児童生徒にも世界とつながる経験をさせてあげたい」という願いです。
なかよし学園は、この願いを実現する方法として、誰もが参加できるうちわ制作を考案しました。

安八町の生徒児童に「世界」を伝えるなかよし学園


安八町のうちわに「アンサーカード」を作成するルワンダの子どもたち

■不登校の児童生徒だけを分けない、町全体に開かれた参加方式
「TOMODACHIうちわ」は、不登校の児童生徒だけを対象とする活動にはしませんでした。
町内すべての児童生徒へ参加を呼びかけ、希望する子どもが自由に参加できる方式を採用しました。
安八町が運営する不登校児童生徒の支援施設「ほほえみ教室」を中心に、町内の子どもたち100人が参加し、100枚のうちわを制作しました。
学校に通っている子どもも、現在学校へ通うことが難しい子どもも、「世界の友達へ届ける教材をつくる」という同じ目的のもとで活動に参加しました。
不登校の子どもたちを特別な枠へ分けるのではなく、町全体に開かれた活動の中で、誰もが同じように世界とつながる。
この参加設計そのものが、違いによって誰かを排除しない平和な社会を学ぶ教育となっています。

TOMODACHIうちわを企画したなかよし学園と安八町教育委員会

■うちわを贈って終わらせない――「SYSTEM」を学ぶ科学教材へ
なかよし学園は、完成した「TOMODACHIうちわ」をネパール、ルワンダ、カンボジアの教育現場で活用しています。
ただのプレゼントとして手渡すのではなく、ブンブンゴマなどの身近な玩具と組み合わせ、力や回転、動力がどのように伝わるかを考える「SYSTEM」の授業へと発展させました。
手でうちわをあおげば風が生まれます。回転する仕組みと動力源を組み合わせれば、扇風機のような機械へ発展させることができます。
身近なうちわを入口に、子どもたちは「物が動くのはなぜか」「複数の要素がつながると、どのような機能が生まれるのか」を体験的に学びました。
一枚のうちわには、日本の子どもたちから世界の友達へのメッセージが描かれています。その思いが、科学への好奇心とともに海外の教室へ届きました。

ネパールでも実装したTOMODACHIうちわ

■日本の学校から生まれる平和構築
今回の二つの教材には、共通する三つの教育的価値があります。

1.「支援する人」を一部の特別な人にしない
平和活動の出発点を、寄付額や特別な技能ではなく、普段の授業や身近な制作活動に置いています。
英単語を覚えた中学生も、自由参加でうちわを作った子どもも、今の自分にできる方法で世界の学びに参加できます。

2.支援する側・支援される側を固定しない
日本で生まれた教材が海外で活用され、現地の子どもたちの反応や学びが日本へ戻り、次の授業や探究を生みます。
双方が教える側にも学ぶ側にもなる循環は、相手を一方的な「支援対象」として見る関係を変え、対等な理解と信頼を育てます。

3.誰も排除しない参加の仕組みをつくる
学校に通う状況や得意なことが異なっていても、同じ目的に参加し、同じように世界とつながることができます。
一人ひとりの違いを認めながら、誰もが社会や世界に貢献できる参加の仕組みをつくることは、平和な地域社会をつくるための実践的な学びです。

世界各国で教育支援事業を行うなかよし学園

■なかよし学園プロジェクト代表・授業統括 中村雄一 コメント
「学校で習う英単語も、身近なうちわも、使い方を変えれば世界の誰かの学びを応援する教材になります。
英語カルタでは、自分が覚えた英単語に生徒自身が魂を吹き込みました。その教材がルワンダの教室で使われた瞬間、英語はテストのために暗記するものではなく、人と人をつなぐパスポートになります。
TOMODACHIうちわには、『学校へ行けているかどうかにかかわらず、すべての子どもに世界とつながる経験を』という安八町教育委員会の願いが込められています。
大切なのは、何か大きなことができる人だけが平和をつくるのではないということです。今学んでいること、今つくれるもの、今伝えられる思い。その一つひとつを世界の教室につなげれば、子どもたちは今日から平和をつくる側に立つことができます。
海外で生まれた笑顔や気づきを必ず日本の教室へ返し、次の学びを生むところまでが私たちの授業です。日本と世界が互いに学び合う循環を、これからも地域や学校とともに広げていきます」

MIYOVE地区ではそば打ちワークショップも行う。

■2026年9月以降、海外での学びを安八町へフィードバック
なかよし学園は2026年9月以降、安八町内の学校を訪問し、「TOMODACHIうちわ」が海外の教室でどのように使われ、子どもたちにどのような発見や笑顔を生んだのかを報告します。
制作して終わり、届けて終わりにするのではなく、結果を参加した子どもたちへ返し、振り返りと次の行動へつなげます。
石田中学校の「英語カルタ」についても、海外での活用成果を日本側の学びへ還し、英語学習、国際理解、自己効力感を結びつける教材として発展させていきます。
なかよし学園は今後も、日本各地の授業や地域活動から生まれた「いい学び」を世界の教育現場で活かし、その成果を日本へ還すことで、「願う平和から行動する平和へ」を実践します。

安八町の講演会で、安八の子どもたちの活躍を紹介する中村雄一代表

■実施概要
事業名:世界とつながる学び
日本側の実践:
・長崎県壱岐市立石田中学校「英語カルタ」
・岐阜県安八町教育委員会「TOMODACHIうちわ」

海外での活用:
ルワンダを中心に、ネパール、カンボジアでも教材を活用

主な学習領域:
英語、国際理解、科学・動力、探究学習、包摂的な参加、平和教育

今後の予定:
2026年9月以降、安八町内の学校で海外活用の様子をフィードバック

実施団体:
特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト

■「世界とつながる学び」CoRe Loop
https://nakayoshigakuen.org/coreloop

■特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト
所在地:千葉県松戸市
代表:中村雄一
E-mail:peace.office@nakayoshigakuen.org
Web:https://nakayoshigakuen.org

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