長崎の看護師に「忘れられない看護エピソード」最優秀賞 

庄崎美恵さん(前列左から2人目)。後列中央は剛力彩芽さん

庄崎美恵さん(前列左から2人目)。後列中央は剛力彩芽さん

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 公益社団法人「日本看護協会」(東京都渋谷区)で5月8日、「忘れられない看護エピソード」表彰式が行われ、長崎市在住の看護師・庄崎美恵さん(37)が看護職部門で最優秀賞を受賞した。

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 「忘れられない看護エピソード」は、厚生労働省と同協会が主催する「看護の日・看護週間」の中央行事として、看護職や一般の人たちが看護の現場で体験した「心温まるエピソード」を募集し、入選作品を表彰するもの。6回目となる今回は、全国から3305作品が集まり、厳正な審査を経て入賞作品を決定。長崎市在住の看護師・庄崎美恵さんの作品「専属ナース物語」が看護職部門の最優秀賞を受賞した。

 同作は2013年の冬、庄崎さんが勤務する病院に、実の父親が肝硬変で入院した際の父親とのエピソードをつづる。当時、看護歴15年の庄崎さんは、介護休暇を申請して父親に付き添う生活を送った。看護師のプライドと、家族の期待を裏切らないように毎日必死で付き添う庄崎さんはある日、せん妄状態(意識の混乱に加えて幻覚や錯覚が見える状態)に陥った父親から「お前は最低の看護師だ」と大声で叱責(しっせき)される。泣きながら部屋を飛び出して号泣するが、いつの間にか寝てしまった庄崎さんはその夜、不思議な夢を見た。それは父親から幼い庄崎さんがワープロや苦手な数学を教えてもらっている、とても楽しい夢だった。目覚めると、なぜか気持ちが落ち着いており、父親の寝顔を見ながら「もしかしたら今度も何か教えてくれたのかもしれない」と感じ、柔らかい涙が流れたという。

 庄崎さんは「父が亡くなってちょうど1年たつが、(作品の応募は)自分の気持ちを整理したり、看護を振り返ったりすることができて、とてもいい機会になった。日ごろから自分らしく看護師を続けていけるような環境を整えてくださっている方々に、本当にあらためて感謝ができる機会になったと思う。(剛力さんの朗読を聞いて)涙が止まらなかった。父もこの会場のどこかで誇らしげにしていると思う」と話す。

 庄崎さんの作品は同協会ホームページで確認できる。

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