長崎原爆資料館で「テレビが伝えた被爆の記憶」上映会

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 長崎原爆資料館(長崎市平野町)で現在、NHK長崎放送局と長崎の民放4局が共同で企画するイベント「テレビが伝えた被爆の記憶」が開催されている。

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 放送局と共催する公益財団法人「放送番組センター」(神奈川県横浜市)には放送法の指定を受けた国内唯一の放送番組専門アーカイブ施設「放送ライブラリー」があり、NHKや民放、放送大学などで放送された約3万本の番組を無料で一般公開している。

 8月1日にスタートした同イベントでは、長崎にある各局が制作した被爆や平和に関する番組を原爆資料館ホールで7日間にわたり一般公開。1970(昭和45)年から2016年にかけて各局が制作した番組をそれぞれ3本ずつ、芸術祭賞やギャラクシー賞受賞作品を含む15本を無料で上映する。長崎にある全てのテレビ局と放送ライブラリーが協力する初の試みで、8月6日と7日にはNHK広島放送局が制作したドラマ「ふたたびの街」(1986年8月6日放送、上映時間60分)を上映。外出中に被爆して遺体すら見つからなかった長男を思い、被爆後41年経ても悲しみを胸に抱き続ける老人を描く。出演は宮本信子さん、故・大滝秀治さんなど。

 上映番組は以下の通り。

 「長崎の鐘は鳴り続ける 平和を叫びつづけた男 永井隆」(2000年放送、上映時間43分)、「ETV特集 原爆にさわる 被爆をつなぐ ~長崎 戦後70年を生きる被爆二世」(2015年、59分)、「ドキュメンタリー'90 原爆は聞こえなかった」(1990年、44分、以上NHK長崎放送局制作)。「静かな声」(2013年、51分)、「ゆるすまじ 山口仙二 その生の記録」(1999年、58分)、「第十一医療隊」(1970年、54分、以上NBC長崎放送)。「11時1分の刻印 ~よみがえる 閃光(せんこう)に消えた町~」(2016年、48分)、「ここで生きる ~ナガサキから見たフクシマ~」(2012年、47分)、「日本人だった ~在韓被爆者のいま~」(2003年、45分、以上KTNテレビ長崎)。

 「私は原爆を伝えたかった」(2003年、46分)、「爆心地から世界へ ~被爆70年・継承~」(2015年、46分)、「被爆、敗戦から始まった ~林京子・秋吉敏子のメッセージ~」(2006年、48分、以上NCC長崎文化放送)。「NNNドキュメント'99 僕たちの夏 ナガサキ'99」(1999年、26分)、「NNNドキュメント'01 17歳のメッセージ ~高校生1万人の署名~」(2001年、26分)、「NNNドキュメント'03 麻美が見た夏 ~19歳のナガサキ~」(2003年、26分、以上NIB長崎国際テレビ)。

 NHKが制作した「ドキュメンタリー'90 原爆は聞こえなかった」は、原爆投下時に市内にいた約150人のろうあ者を追ったドキュメンタリー番組。長崎の手話通訳者団体が行った「ろうあ被爆者」の実態調査で54人の生存が判明し、うち7人の被爆者手帳未交付が確認された。中には45年間、被爆した事実さえ知らなかった人もいたという。「なぜこのようなことになったのか」と問題提起する同作は、「地方の時代」映像祭1991優秀賞、ギャラクシー賞第28回奨励賞をそれぞれ受賞した。

 隣接する国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館では現在、米軍が撮影した被爆2日前と直後の長崎市の航空写真などを展示する「被爆71年ナガサキ原爆写真展」(入場無料)が開催されている。8月9日まで。

 上映時間は10時~17時。開催期間中は毎日7~5作品を上映する。今月7日まで。詳しくは放送ライブラリーのホームページで確認できる。

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