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長崎で九州初「社長BOKIゲーム」 老若男女34人が熱戦

ゲームを楽しむ小学生と母親

ゲームを楽しむ小学生と母親

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 長崎県勤労福祉会館(長崎市桜町)で8月20日、ボードゲームを通して簿記や会計を楽しく学ぶ「社長BOKIゲーム」が開催され、定員を超える老若男女34人が参加した。

参加者に説明する下釜さん

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 残り少ない夏休みの週末ということもあり、会場には小学生や中学生の親子連れが目立った。参加者らは5人組6グループ、4人組1グループに分かれて着席。ゲームを開発した「キッズBOKI協会」(東京都新宿区)理事の水野浩一郎さんがルール説明を行った。

 「今から皆さんはケーキ屋の社長です」と水野さん。使用する紙幣は円やドルではなく「柴山先生が考案したゲームなのでシバ」と説明すると笑い声が広がった。「全員に1,000シバを配る。そのうち400シバは手持ちの資本金。600シバは銀行からの借入金。『元帳・第1期』の該当するところに金額を記入して」と促し、参加者全員が200シバで最初の店舗を買ってゲームが始まった。

 「仕入れカード」を引いて「仕入れ単価」が決まり、1店舗当たりの取引限度は1回につきケーキ50個。仕入れ単価は「3シバ」「4シバ」「5シバ」「7シバ」の4種類があり、売上単価は最低(6シバ)から最高(10シバ)まで同じく4種類を用意する。「仕入れ」「売り上げ」カードのほかに「意思決定」「運試し」のカードがランダムに混ぜられており、意思決定には「店舗を増やす」「店員を雇う」「保険に入る」など、設備投資やリスク回避のオプションを用意する。店舗や店員を増やせば、投資するための現金は減るが1回当たりの取引個数が増える。

 「運試し」は、カードを引いた人がグループ内の誰かを指名して「じゃんけん」する。負けた人は300シバが「盗難」によって失われ、勝った人は「賞金」として同額を得る。事前に保険を購入しておけば損害を免れるが、購入できるのは「意思決定」カードを引いた時だけ。意思決定カードを引いた参加者は「店舗を増やすか」「店員を雇うか」「保険に加入するか」など、下を向いたり目をつぶったりしながら真剣に悩む。有利だった人が突然赤字に転落したり、不利だった人が急成長したりするなど「悲喜こもごもの展開」があちこちで見られた。ゲーム終了後、参加者らはスタッフの指導により電卓で計算した「元帳」の数字を「店の通信簿」に転記。手元に残った現金を「金種表」に記入し、計算上あるはずの現金と一致するかどうかチェックした。

 「これは人生ゲームだと思う」「保険に入ったり店舗を増やしたりするタイミングが難しい」「人を雇えば売り上げ増えるけど、別の問題が出てくるからなあ」など、とても子ども同士とは思えない真剣な会話も飛び交う。対戦結果は成人参加者の多くが、利益が少なかったり赤字だったりした反面、多くの子どもたちが大きな利益を上げた。

 九州地区での開催を運営するアズサポート(出島町)の下釜綾子さんは「長崎で九州初のイベントを開きたいという思いが実現してうれしい。多くの問い合わせがあり、30人の定員が、すぐに埋まった。実施後のアンケートには、ほぼ全員の方から次回も参加したいと回答いただいた。定員を増やしたいがスタッフの増強が不可欠なので、運営スタッフの養成にも力を入れたい」と意気込む。

 翌21日は会社経営者など社会人10人が参加して福岡市内で開催。社会人同士のゲームも大いに盛り上がり、全員が「また参加したい」と答えた。次回の長崎開催は9月25日ごろを予定する。

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