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長崎・山里観光市場に「コ・アクティングスペース」 お披露目イベントも

来場を呼びかける城尾さんら

来場を呼びかける城尾さんら

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 山里観光市場(長崎市平和町)に新たな交流拠点「コ・アクティングスペース」が完成し、2月24日、お披露目イベントとなる「ヤマザトコモンマーケット」が開催される。

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 同市場がある平和町商店街周辺は戦後復興期に商圏が形成されていく中で60年ほど前に平和町商店連合会が立ち上がり、42年前に組合を結成。原爆落下中心地に近く、戦後復興のシンボルにもなっている浦上天主堂のすぐ側にある同商店街で最盛期には23店舗がひしめき合い、中心的な役割を担ってきた。

 大型店の進出や高齢化に伴い、現在では4店舗にまで減少した同市場。長崎県では昨年度、商店街魅力向上支援事業の一環として時代の変化に対応した商店街モデルとして、平和町商店街をモデル商店街に選定。今年度から「全ての人にコモン(共通、共有などの意味)な場所へと生まれ変わる」取り組みとして「ヤマザトコモンプロジェクト」をスタートした。

 近隣にマンションや観光地などが隣接しているものの商店街への人の流れが少ないことが課題となっている同商店街。長崎市の空き家活用事業を活用して空きスペースをリノベーションすることを決め、プロジェクトでは毎月ワークショップを開いてコンセプトづくりを行った。活動の拠点を求めている若者や平和団体とのつながりができたことから個人や団体が集まり、日々の活動を行える場所「コ・アクティングスペース」として今後、運営することを決めた。

 昨年夏にはイベントや空き店舗活用方法などの企画を募るアイデアコンテストを行い、その中の一つのプロジェクトのアイデアを実現に向けて取り組むことも決まった。

 イベントではメイン会場となる同市場でこれまでの取り組みを事業報告の形で発表すると同時に、完成したばかりのコ・アクティングスペースをお披露目。同商店街の城尾昭寛理事長やプロジェクトを伴走支援してきた三角形(福岡県北九州市)の福岡佐知子さんらが登壇してトークセッションを行う。

 同商店街の各店舗を「まちなか会場」として「平和町商店街の逸品研究会」が取り組んできた各店「自慢の一品」を試験販売する。商品はただ「お薦め」というだけでなく、その店の歴史や息吹を感じさせるもの、商店街のメンバーからもお墨付きをもらえるものを目指して選ぶという。

 「にぎわい会場」となる天主公園(平和町)では自転車競技BMXのzackyさんがBMX講座と体験会を行う。このほか、同時開催イベントとして「にぎわいマーケット」も開催。3会場を巡るスタンプラリーも行う。

 城尾理事長は「商店街に求められるニーズが変わりつつあるが、(現在も)地域の重要な拠点。人が滞留できる新たな場をつくると同時に、『これからの形』を模索してきた」と振り返る。「今後も中長期で取り組みを続け、まずは若者を商店街に呼び込みたい。まちづくりに関心のある学生なども巻き込みながら店を増やし、持続可能な場にすることを目指したい」とも。

 開催時間は、事業報告会=10時30分~11時45分、成果お披露目コーナー=12時~16時。事業報告会は事前予約制で、ホームページで申し込みを受け付ける。

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