長崎発「子ども手話うた」クラウドファンディング 

ハロウィンイベントに参加した子どもたち

ハロウィンイベントに参加した子どもたち

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 クラウドファンディングサービス「MAKUAKE」で1月28日、長崎の子ども成長育成ネットワーク「ながさkids」がオリジナル「子ども手話うた」DVD制作プロジェクトを公開した。

真剣にレッスンを受ける子どもたち

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 ながさkidsは2014年6月、長崎市内に住む大江由紀さんが立ち上げた子どもの成長育成ネットワークで、現在は1歳~12歳までの子ども130人ほどが所属。ダンスやウォーキングなどプロのレッスンを受け、ファッションショーなどのイベントに参加したり、インターネットを使って海外の子どもたちと交流したりするなど、さまざまな表現やトレーニング体験を通じて子どもたちの成長、特にメンタルタフネスを鍛えることを目的とする。1回のレッスンを500円で提供することで、参加しやすいようにしているという。

 テーマソング「サンシャイン」は、長崎を拠点に活動する音楽家・馬川慶子さんが同団体の子どもたちのために作詞・作曲して寄贈したもの。大阪在住の手話うたパフォーマー・藤岡扶美さんが手話を振り付け「手話うた」として完成させた。馬川さんは平和祈念式典のピアニストを務めた実績があり、ながさkidsでは親子コーラスの指導を担当する。聴力にハンディキャップを抱える藤岡さんは、地元大阪を中心に全国で手話うたの指導を行っており、テレビなどのメディアでも活躍する。

 大江さんは「恥ずかしいことに『サンシャイン』に出合うまで、自分には手話は関係ないと思っていた。なぜなら周囲に使う人が誰もいなかったから」と振り返る。

 「私に中国語で話しかけてくる人がいても、その人を単に中国人と思うだけ。ところが手話で話しかけられたら、その人を『耳が聞こえない障がい者』と感じるだろう。自分が手話を知らないだけなのに差別意識を持つかもしれない。こうなると、知らないでは済まない」とも。

 「みんなが手話を使えるようになれば、聞こえる・聞こえない・聞こえにくいの見えない壁は全てなくなり、誰もが楽しくコミュニケーションできる社会が実現する」と確信した大江さんは、子どもたちが楽しく歌いながら収録する「サンシャイン」のDVD制作を発案。保育園や幼稚園、小学校での利用や、聴力差の壁を超えたコミュニケーションツール、高齢者のトレーニング教材として全国に広めるため、製作費の捻出はクラウドファンディングを活用することにした。

 「曲はもちろん、歌詞が特に素晴らしい。DVDに記録することで、子どもたちの一生の思い出になる」と大江さん。藤岡さんの手話うたによる「サンシャイン」はユーチューブで公開している。

 クラウドファンディングでは、支援金額3,000円~10万円まで6コースを用意する。募集期間は62日間で、目標金額50万円で製作費を賄う。

 大江さんは「手話うたでつなぐボーダレスの優しい世界を、子どもたちと一緒に実現したい。ぜひ力を貸してほしい」と呼び掛ける。

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