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長崎で「たかしまフルーティトマト」訳ありを店頭販売-通販は3日で完売

「純情も情熱も、ずっしり思いが詰まったトマトです」と呼び掛ける北川栄太さん

「純情も情熱も、ずっしり思いが詰まったトマトです」と呼び掛ける北川栄太さん

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 SLがある公園として知られる中央公園(長崎市賑町)近くの店舗で現在、たかしま農園(高島町)で作られた「たかしまフルーティトマト」の情熱ハート、純情ハートの正規品から外れた「訳ありトマト」を店頭販売している。

愛犬「モモ」と一緒に食べごろを待つ酒井真由さん

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 同園は3月5日から「ワケアリお試しセット」の通信販売を期間限定で始めた。当初は今月20日までの15日間を予定していたが、メディアで紹介された直後から注文が殺到。用意したセットはおよそ3日間で全て完売した。

 店頭販売は先月20日にスタート。販売時間は原則として平日の13時30分~18時だが、販売するトマトが正規品ではないため収穫状況によって毎日の在庫が大きく左右され、場合によっては早く店を閉めたり臨時休業したりすることもある。通信販売では糖度9度以上の「情熱ハート」と糖度7度以上の「純情ハート」の「訳あり」を半分ずつ、合計900グラムの詰め合わせで提供したが、店頭では「情熱ハート」「純情ハート」それぞれの「訳あり」を袋に詰めて販売する。

 価格は「情熱ハート・ワケアリ」(400グラム)=600円(税別)、「純情ハート・ワケアリ」(450グラム)=500円(同)。重量を基準とする上、正規品ではないため個体の大きさや個数がそれぞれ異なる。

 販売を担当する崎永海運・高島トマト事業部企画室長の北川栄太さんは「お客さまには『のぼり旗が販売中の目印』としか答えようがない。本当に心苦しい」と頭を下げる。同社に6年前に入り、それまでは「自分がまさか農業に関わるとは思わなかった」という北川さん。「もともと農業は門外漢の海運会社。長崎市から事業を引き継いだ9年前は赤字が膨らむ一方で言葉にできないくらい大変だったと聞いている。6年前もまだまだ大変だったが、栽培担当スタッフの熱い思いにはいつも圧倒された」と振り返る。

 その情熱に影響され、いつの間にかトマトのことばかり考えるようになっていたという北川さん。「ワクワクしながら栽培を続けてもらうには、自分がワクワクしながら売るしかない」と決意。恥も外聞も捨て、試行錯誤しながら売ることに没頭し「がむしゃらに走っていたら、たくさんの人との出会いから少しずつ歯車が回り始めた」という。

 注文した「ワケアリお試しセット」が届いた酒井真由さんは、「箱を見た瞬間、思わず『届いてる!』と叫んだ。期待しながら開封すると、『お届けから5日後が食べごろです』と書かれた紙が。一度は『え~』と思ったが、今は愛犬『モモ』と大好きなトマトの食べごろを一緒に待つのが楽しい」とほほ笑む。

 北川さんは「たかしま農園のトマトは、とにかく手間がかかる上に年に4カ月間しか楽しめない。シーズン最後の4月下旬から5月にかけては『5月の初恋』の出荷が始まる。ゴルフボールのように小さくてかわいいミニトマトで、見かけはミニだが糖度9度以上の濃厚トマト。ぜひ味わってほしい」と呼び掛ける。同店は5月上旬ごろまで出店する予定で、今後は正規品も取り扱う。

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