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ミラノ在住パターンナー・船橋芳信さん、長崎の自宅で秋冬コレクション発表

採寸中の船橋さん(中央)。左は妻でソプラノ歌手のすみ子さん(去年の様子)

採寸中の船橋さん(中央)。左は妻でソプラノ歌手のすみ子さん(去年の様子)

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 イタリアのミラノで30年以上活躍する長崎出身のファッションパターンナー・船橋芳信さん(64)が4月11日~14日、長崎歴史文化博物館近くの自宅(長崎市八百屋町)で「2014-2015メンズ&レディース秋冬コレクション」発表会を開く。

昨年のモデル「ピーコート」

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 パターンナー(またはモデリスタ)とはデザインに従って洋服の型紙を作成し、服を完成させる技術者。ファッション業界ではデザイナーと並び重要な役割を果たす。船橋さんは1950(昭和25)年、長崎市八百屋町で洋服の仕立職人の長男として生まれ、長崎東高から早稲田大学に進学。1973(同48)年、伊東衣服研究所でパターンを学び、1980(同55)年にイタリアに渡りボローニャのメーカーと契約。パターン作成などでコレクションに参加した。

 1986(同61)年、高級ブランド「スタジオ イプシロン」を設立。1992年にレディースコレクション、2002年にメンズコレクションをスタート。2009年、長崎歴史文化博物館で同所としては初のファッションショーを開いた。現在は年に2~3回、日本に帰って東京や大阪、長崎の自宅でコレクションの発表会を開催。船橋さんはパターンナーのみならず、デザインから完成まで一貫して手掛けている。イタリアの高級ブランド「サルトリア イプシロン」の創立者・船橋幸彦さんは実弟。

 「子どものころから親の仕事を見て実際に生地にも触ってきたので親しみはあったし、違和感はなかった。しかし25年くらいたってから、ようやく『面白い』と感じるようになってきた」と話す船橋さん。「昔はこの辺りにも4、5軒くらい仕立屋さんがあった。今は既製服ばかりが主流で、特に若い人は高級服自体を知らない。カシミアの服を銀座辺りで作れば60万円から70万円くらい。そんなに高い買い物は必要ないが、ここぞという場面では自分に投資することも必要」とも。

 「かつて毎日新聞の論説委員をされていた故・古波蔵保好(こばくらやすよし、1910~2001)さんに食事に連れて行ってもらう機会が多かった。常に緊張を強いられる高級店ばかりだったが、その経験が今の自分の内面形成に大きく役立っている」と振り返る。

 船橋さんはイタリアに住みながら毎日、自分が日本人であることを自覚する機会が多いという。「ヨーロッパでは今、空前の日本食ブーム。健康食としても非常に注目されている。イタリアに住んで30年以上たつが、それでもイタリア人との考え方や行動の違いで日本人であることを毎日強く感じる。長崎には世界に誇れるものがたくさんある。身近にある本物を見極める目を、ぜひ鍛えてほしい」と訴える。

 コレクション発表会では服のオーダーも受け付け、妻でソプラノ歌手のすみ子さんが採寸のアシスタントをする。「コレクションへの案内は今までのお客さまに送っているが、事前に連絡をもらえればどなたでも歓迎」と来場を呼び掛ける。

 開催時間は10時~19時。開催中の連絡は船橋さん(TEL 095-822-1664)まで。

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