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長崎・JR浦上駅前に「米粉屋コーヒースタンド」

スタッフ。後列左から永元祥人社長、平田順子さん、平田賢史さん

スタッフ。後列左から永元祥人社長、平田順子さん、平田賢史さん

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 JR浦上駅(長崎市川口町)前に3月13日、「Komekoya COFFEE STANDS」がオープンした。

店の外観

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 食品関係の企業に勤めていた永元祥人社長は2010年、長崎県産米だけで自家製粉した米粉と米粉を使った商品を販売する「米粉屋」を長崎市扇町で開業した。当時は小麦価格が高騰していたため米粉が代用品として注目を集めていたが、「当初は製粉技術が未熟だったため、どこの米粉も小麦粉に比べて食感が悪いという声が多かった」と永元社長は振り返る。現在では製粉技術の向上で細かな粒子の米粉が生産できるようになったため、食感も飛躍的に向上しているという。

 通常の米粉工場は、小麦粉やそば粉などを同じ設備で生産することが多く、微量ながらもそれらが混入するため、アレルギーを持つ人は安心して食べることができなかった。米粉だけの専用設備で自家製粉している同店は「安心して食べられる」と広く知られる存在になり、他県からの来店客も増えた。

 同店で開発業務を担当するのは平田賢史さんと順子さん夫妻。米粉を使ったホットケーキミックスや米粉スイーツなど、ユニークな商品開発を積極的に行っている。小さな子どもの親でもあることから、子育て経験を生かした無添加の「米粉の離乳食」も開発・販売を手掛ける。2014年10月には農林水産省が共催する「フード・アクション・ニッポンアワード2014」で、同店の「赤ちゃんとつくる離乳食プロジェクト」が入賞している(研究開発・新技術部門)。

 コーヒースタンドを始めたのは、佐世保市にある「Tanaka Coffee」の存在がきっかけ。順子さんは実父の永元社長が営む米粉屋を手伝いながら、「Tanaka Coffeeのような店を長崎に作りたい」と考えていたという。扇町は中心市街地から離れているため、昨年9月にJR長崎駅に隣接するアミュプラザ(長崎市尾上町)内に販売店を移転オープン。このころから本格的にコーヒースタンドの構想を練り始めた平田さん夫妻に、タイミングよく浦上駅前の空き店舗情報が届いた。

 店名の最後に「S」が付くのは永元社長が字画数にこだわったため。順子さんは「最初は違和感があったが、みんなの力で作り上げる意味では結果オーライ」とほほ笑む。

 「アミュプラザ店に続き、コーヒースタンドも駅近くに念願かなって出店できた。おいしいコーヒーはもちろん、米粉の素晴らしさをこれからも伝えていきたい」と意気込む順子さんのお薦めは「カフェラテ」(400円~)。店内で飲食できるが「コーヒースタンド」の文字通り椅子はない。Tanaka Coffeeで修業したバリスタが作るコーヒーやドリンクのほか、米粉のスイーツなどを販売。テークアウトにも対応する。

 営業時間は8時~19時。日曜定休。

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