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「歩いて楽しいまちづくり座談会」が最終回-長崎市長も参加して活発な議論に

「ゴミのないまちづくり」を提言する浜崎雅裕さん

「ゴミのないまちづくり」を提言する浜崎雅裕さん

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 長崎のまちづくりを考える「歩いて楽しいまちづくり座談会」の最終回が2月26日、長崎市立図書館(長崎市興善町)で行われ、田上富久長崎市長も参加して活発な意見交換が行われた。

班員にスマートフォンを利用した地域情報案内板を説明する藤澤さん

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 座談会は長崎市都市計画部まちづくり推進室が主催し、「歩いて楽しいまちづくり」(昨年7月)、「活気があってお互いの顔が見えるまち」(同9月)、「安全で安心そして憩いがあるまち」(同10月)、「新しい発見と交流で気持ちが満たされるまち」(同11月)を全体テーマとして市民の活発な意見交換の場となってきた。

 最終回となる今回の全体テーマは「みんなでつくるまち」。未来の長崎の街をみんなで作り上げるための提言をまとめ、1年間の活動を締めくくる。会場となった同館内の新興善メモリアルホールには長崎市の関係者のほか、さまざまな職業の老若男女70人ほどが参加して10組の班に分かれ、それぞれのテーマについて活発な討論を繰り広げた。

 「ゴミのないまちづくり」をテーマに発表した班では、「ゴミバスターズ」「マイゴミ袋」「ゴミの夜間収集」の3点を提言。大人も子どもも楽しみながら積極的にゴミのないまちづくりの活動に参加できるゴミバスターズや、小さな袋を常に携帯して街のゴミ箱を極力不要にしてしまうマイゴミ袋、日中ゴミが山積していたり収集作業自体が交通渋滞を招く課題を解決するための夜間収集などのアイデアが出された。

 同班の発表者で環境保護関係の仕事に従事する浜崎雅裕さんは「ゴミ処理の問題は奥が深い問題で一筋縄ではいかない。特に福岡市の取り組みにヒントを得て夜間収集を提言はしたが、職業柄、福岡と長崎では事情がかなり違うことも分かっており、正直ジレンマはあった。現在でも観光地周辺は早めに収集する努力が行われている」と話す。「市民力で行政が気づかない部分をサポートし、実際に改善していく必要はあるので、今日の発表は大いに意義がある」とも。

 「案内板の情報を常に更新する」というテーマに取り組んだ班では、IT企業を経営する藤澤千絵さんがスマートフォンを利用した地域情報案内板の活用を提言。来月から長崎市内の複数の商店街で実際に運用を開始するという。「若者を中心として最新の情報端末を使える人には黙っていても大量の情報が押し寄せてくる。しかし本当に必要な情報は、その地域の小さな情報だったりする。自分たちが提供していくハードに、まちづくりのためのさまざまな情報ソフトが活用されると、今まで埋もれてきた地域情報も常に更新されながら利用できるようになる」という藤澤さんの話に多くの人が熱心に耳を傾けた。

 全5回を通してコーディネーターを務めた船木成記さんは「非常に質が高い議論になった。ただ議論するだけでなく、今回は具体的に事業化したらどうなるかという視点がポイント。正直、行政はその仕組み上、なかなか腰が重いので市民が先行する必要がある。それが実現への第一歩」とまとめた。

 最後にあいさつに立った田上市長は「長年まちづくりに取り組んできて感じた大切な2点がある。一つは当事者であり続けること。そしてもう一つは必要に応じて連携して取り組んでいくこと。ここで提言した人たちには何らかの形で実行段階まで実際に関わり続けてほしい。考える人で終わるとやりっ放しになる。1人では挫折することも連携すれば実現できる。長崎さるくは5年前に始まったが、その何年も何十年も前から議論だけは存在していた。それを実行に移すことこそが一番大切」と話し、参加した市民を大いに勇気づけた。

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