「長崎ハトシロール」を冷凍食品に-長崎一番が商品化、話題に

夏祭り会場で販売された「長崎ハトシロール」

夏祭り会場で販売された「長崎ハトシロール」

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かつて長崎の家庭料理として人気だった「ハトシ」にヒントを得て、「長崎一番」で知られる長崎蒲鉾(長崎市田中町)の高崎一正社長が5月から、アジを使った「長崎ハトシロール」を冷凍食品として売り出した。伝統の家庭料理の商品化に「新しくて懐かしい」と話題を集めている。

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 ハトシとは、江戸時代から長崎市内に伝わる伝統料理の一つで、エビのすり身をパンで挟み、さらに油で揚げたもの。当時は高級料理だったが、材料が安くなってからは家庭料理として長崎市内で広まり、「おふくろの味」として懐かしむ人も多い。ただし、手間がかかるため今ではあまり作られなくなった。

本来は広東語で「蝦多士」と表記され、エビを意味する「蝦(ハー)」と英語のトーストを音訳した「多士(トーシー)」に由来。100年ほど前には中国の広州でも作られていた記録があり、アメリカのチャイナタウンなどでも出す店があるという。

「長崎ハトシロール」はエビの代わりにかまぼこ店さんらしくアジのすり身を使う。同社営業係長の金子洋さんによると、「社長の発案で今年のランタンフェスティバルに試験的に出してみた。予想以上に評判が良かったので、その後に商品開発を進め、ゴールデンウイーク明けごろに商品として出せるようになった」という。

原料のアジのすり身には牛と豚のミンチを混ぜて魚臭さを取り除き、さらに長崎産の玉ネギを加えて味を整え、パンをロール状に巻いて揚げることで食べやすくした。ホットドッグのような外見が若者にも受け、魚が嫌いな子どもでも喜んで食べるという。

「手間がかかったハトシを冷凍食品として手軽に食べられるよう開発したことで、長崎の人にはお土産としてもよく売れている」金子さん。一方で「現在、チトセピアや夢彩都、長崎空港の売店、高速のサービスエリアなどでも販売しているが、よその人はハトシ自体を知らないため県外へのPR方法が今後の課題」とも。

長崎ハトシロールはチーズ味とプレーン味の2種類。価格はプレーン味6枚、チーズ味3枚の9枚セットで、価格は1,500円~。

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