長崎で40年前の8ミリフィルム上映会 遺族が亡父と映像で対面

久喜さんの遺影を持つ野口さん。右端は実兄で梅月堂社長の本田時夫さん

久喜さんの遺影を持つ野口さん。右端は実兄で梅月堂社長の本田時夫さん

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 長崎市内のビルの前所有者の遺族が2013年9月に発見しながら上映できなかった40年前の8ミリフィルムが今年4月、テレビ番組スタッフの手でデジタル処理され、同ビルで遺族に公開された。

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 8ミリフィルムを発見した野口みほさんの実父は、プルニエビル(長崎市古川町、TEL 095-895-7811)の前オーナーで前・梅月堂社長の故・本田久喜さん。一昨年9月にビルを整理した際、倉庫の奥から久喜さんが撮影した膨大な8ミリフィルムなどの資料や撮影機器が発見された。

 当時、長崎経済新聞の取材に対して野口さんは「父は根っからのカメラマニアだった。私や兄が幼いころの映像がこの中にあるかもしれないと思ったら、捨てるに捨てられなくなった」と話していたが、一緒に発見された映写機は2台とも故障しており、映写機の修理方法などを探していた。その後も解決の手掛かりは一向に見つからず、野口さんは半ば諦めていたという。

 今年3月下旬、記事を読んだ日本テレビの番組スタッフから突然、野口さんに一本の電話がかかってきた。国連が定めた国際家族デー(5月15日)に合わせた番組を企画しており、8ミリフィルムの状態次第では遺族の前で上映できるかもしれないという内容だった。

 「ほとんど諦めていたので、気持ちが舞い上がった」と野口さん。担当スタッフが東京と長崎の間を何回も往復しながら8ミリフィルムのデジタル処理や打ち合わせ、取材を重ねて準備が整った4月下旬、遺族が同ビルに集まり、上映会が実現したという。野口さんを含めた遺族全員が、この時初めて完成した映像を目にした。

 野口さんは「幼いころに見た記憶がかすかに残っているが、再び父の姿を見ることができた時はあまりのうれしさに言葉が出なかった。母をはじめ、家族全員が同じ気持ちだったと思う。番組スタッフの方と何回もお会いするうちに家族の一員のような気持ちになり、取材が終わった別れ際は寂しくなった。皆さんの努力に心から感謝している」と目を潤ませた。

 上映会の様子は5月15日21時、日本テレビ系列「7days TV」(5月9日~15日放送)内の特別番組「かぞくムービーAWARD 2015」で全国放送される。

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