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第6回推薦編「会社役員・諸岡進さん」

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諸岡さんは長崎のご出身ですか?

そうです。最初は東長崎に住んでいたんですが、小学生の頃に立山に引越しました。小中学校では野球に夢中になって、高校ではソフトテニス。大人になってからはソフトボールに熱中しました。

結構、スポーツマンですね。

はい。体を動かすことは大好きです。平成元年に今の会社に入ったんですが、実は会社がソフトボールのクラブチームを持っていて、もともとそのメンバーだったんです。それが入社のきっかけです(笑)。

なるほど。ビル管理の仕事って、大変でしょ?

大変と言えば確かに大変ですけどね。建物って生き物ですからね。本当に。それに見なきゃいけない範囲が広い。というより、広すぎる(笑)。ビル管理に関する技術はだんだん進んでいるので、昔よりはずいぶん楽になりましたが、この仕事も突き詰めればビルのオーナーさんとの信頼関係がまず成り立つことが前提ですから。

カギを預かるわけですからね。

その通りです。そして従業員全員にもそのきちんとしたクオリティを徹底させないといけない。いわば「人が全て」と言っても過言じゃない仕事です。

仕事、楽しいですか?

もちろん「楽」ではありませんが、楽しいですよ。もともと人が大好きですから、自分には合っている仕事だと思います。

素晴らしいですね。ところで、諸岡さんがグルメに目覚めたきっかけはどんなことですか?

きっかけですか?そうですね。実は私は一人っ子なんですよ。結構、好きなものを食べさせてもらいました。

食だけは自由に好きなものを食べろと母親から言われて育ちました。でも基本的に嫌いなものはありません。自分の子どもには言えませんけど。3人もいますから(笑)。

なるほど。そりゃそうですね(笑)。

ははは。人から「あの店、おいしかったよ」と聞いたら絶対に行きます。行って本当においしかったら、家族を連れて行きます。たまに、「こいつらにはまだ早いな」と思う時もありますけどね(笑)。

だから「ここで飲んでいるから」と言えば、知っている店なので女房も子どもも安心しますからね(笑)。

今、銅座とか浜口とか街の活性化をしないといけないでしょ?

それにはまず食べに行かないと宣伝できないですよね。だから、私が宣伝マンになろうかな?と(笑)。それで「ランチ王」なんてあだ名まで付いてしまいました(笑)。

ランチ王ですか(笑)。ランチを制覇したんですか?

いやいや、人から「ランチどこがいい?」なんてよく聞かれることがあるんですよ。今、このあたりにいて、連れと一緒だけど、ランチが旨い店知らないか?って。

困ったときの「ランチ王」です(笑)。

それ、いいですね。

私、結構あちこちに友達がいるんですよ。自分が知らないエリアだと、その友達に連絡して聞くんです。大抵の食の問題には対応できます(笑)。

まさに「ランチ王・ネットワーク」じゃないですか(笑)。

もちろん私だけの知識では対応できませんから、結局友達に聞くことも多いんです。夜も「代わりに予約を入れてくれないか」と頼まれることもあります。私自身も頼むこともあります。頼まれて、それを友達に頼むこともよくありますしね(笑)。

「あそこ旨かったよ」と聞けば自分も行くし、聞かれなかったときでも旨い店があれば、私からも「あそこ旨かったよ」と情報でお返しをしますから。相当、いろんなところに行ってると思われているんでしょうね。実際は友達からの情報も多いんですが(笑)。

なるほど。人のつながりって大事ですね。

実は今、銅座町自治会に入っているんですよ。(註:銅座町は長崎の歓楽街)

銅座にお住まいなんですか?

住んではいないのですが、以前母親が銅座で店をしていたことがあって、平成15年のときに僕の子どもを「長崎くんち」に銅座町から出させてもらったんですよ。それからお付き合いをさせていただいて、その7年後も上に乗る子どもの役で出させてもらいました。

(長崎くんちは7年に1回「踊り町」と呼ばれる当番が回ってきて、出し物をする)

私自身も以前は飲食関係の仕事をしていたんです。当時はバブリーな時代(笑)。すごい大先輩たちに囲まれて、みなさん羽振りが良かったですよ。

確かに、あの頃は羽振り良かったですね。

それで絶対行けないような高級店にもよく連れて行ってもらいました。そのことはいい経験になっていると思います。料亭なんてそうでしょ?

25歳までの頃に、よく勉強させてもらいました。後で自分で行けるようになって後輩を連れて行ったら、支払い金額を書いた紙を見ながら「じぇじぇじぇ!」って叫びそうになりましたから。今は焼き鳥屋さんで精一杯ですよ(笑)。

ホント、じぇじぇじぇですよね(笑)。私もバブル時代に上司に連れられて行ったのが「青柳」さんで、待合の部屋で「待つ」ということ自体、衝撃で。料理の味どころじゃなかった20代でした(笑)。

私の場合は「松亭」でした。ご主人が高校の先輩ということもありましたけど、最初行ったときは極度に緊張しましたね。話しはちょっと変わりますが、うちの会社には車両部というのがありまして、大きな企業に運転手を派遣しているんですけど、私はしばらく車両部にいたことがあるんですよ。

何だか面白い話が聞けそうですね。

あまり期待しないでください(笑)。私は社長車を担当したんです。その社長さんにものすごく可愛がっていただきました。いろんなところに連れて行ってもらって。と言っても、私が運転するんですけどね(笑)。おいしい店にいろいろ連れて行ってもらい、食べさせてもらいました。まず運転手と役員が一緒に食事するということ自体、通常では考えられないことなんですよ。この業界(笑)。

本当に特別に社長が行かれる場所の店はほぼ全て連れて行ってもらいました。凄かったですよ。九州の名店と言われるところには、大抵連れて行ってもらいました。絶対、自分のお金で行けるところなんてありませんから。フグなんて最高でしたよ。九州限定ですけどね(笑)。

最高ですね。それが諸岡さんのグルメ人生の基礎を作っていった部分も多いでしょうね。

そうですね。だから、接待などで恥ずかしくないところを用意できるようになりました。

私もその時代は大きな会社で接待役もしましたが、全くノウハウが積み上がっていません。食にこだわりを持っていなかったのでしょうね。コツコツ積み上げることは大事ですね。

私は学校を出て今の会社に入る前に飲食関係にいたこともあり、気が付いたらずっとノウハウを積み上げてきたのかもしれませんね。

会社員時代、私は接待が本当に苦手でした。接待って特に難しいでしょ?

接待の難しさは、「相手を見て決めなければならない」というところなんですよ。何が何でも高い店に連れて行けばいいというものではないんです。その人のニーズを見極めて店を選ぶ必要があります。長崎は安い店でもレベルが高い店が本当に多いんです。東京の人の中には、長崎の目立たない安い店で大喜びする人も少なくありません。これだと喜んでもらうことで相手にも優しいし、会社の財布にも優しい(笑)。

本当にそうですね。あまり知りませんがレベルが高い店は多いですね。

東京、大阪に行っても高い店は別にして、長崎よりおいしい店に行ったことがないんです。福岡など九州の店は頑張っていますけどね。そういう点では長崎の店は本当にレベルが高いと思います。

今回はどちらのお店をご紹介いただけますか?

「リトル・エンジェルズ」さんです。私が参加している「長崎経済交流会」という組織で「食の遊園地」というイベント企画をしました。その時にある方からご紹介いただいて出店していただいたのがきっかけです。初めてで、多分よく分からなかっただろうイベントに、お金を出してご出店いただきました。イベントなんて、最初は海のものとも山のものとも分からないですからね。1軒1軒挨拶して回りました。吉田社長にも「これから協力してやりましょう」と言っていただいて、本当に嬉しかったですね。ありがたいです。私たちは、クリスマスに施設の子どもたちにクリスマスケーキを配る活動もさせていただいているのですが、それにもケーキを無償提供していただいたり、本当にお世話になっています。

食を通じてそのような活動を続けて来られたのですね。ここは確かスイーツの専門店ですよね。

もともと、ご主人のご実家が割烹吉田を経営されていました。スイーツの店ではありますが、矢上店ではランチ、万屋町店ではディナーも出されます。もちろん、予約が必要です。

スイーツ店で食事を出すというのは面白いですね。食べた感想は?

月並みな言い方で申し訳ないですが、本当においしいですよ。リトル・エンジェルズさんは雑誌やテレビなどにも何度も取り上げられているし、全国お取り寄せグルメなどの企画でも常に上位に入っています。矢上の工場見学も出来るようになっているので、全国からバスで見学に来られるそうです。そのスイーツ専門店で食べられる食事って、いいでしょ?ぜひ食べてみてください。

いいですね。お腹がすいてきました。では最後に読者の方に推薦の言葉をひとことお願いします。

リトル・エンジェルズさんの食に対するポリシーというか、しっかりした考え方に非常に共鳴しています。私は周りの方に支えられながら、それなりに舌を鍛えてもらいました。スイーツはもちろんですが、ぜひディナーやランチを味わってみてください。私がなぜ薦めるか、納得していただけると思います。

諸岡さん。ありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。

■諸岡進さん
長崎市生まれ。 飲食業を経て1989(平成元)年、富士ビル管理株式会社入社。現在、取締役営業部長
長崎経済交流会 イベント委員会委員長

「長崎グルメ探訪」とは

巷ではグルメ情報が氾濫しています。ここ長崎でも例外ではありません。情報は多岐にわたり、独りよがりになってしまったり、誰のためか分からないような情報も少なくありません。

そしてグルメ情報の多くは、その道のプロであったり、毎日のように美食に触れる人物だったりして、受け取る人の考え方にもよりますが、受け手との立ち位置がそもそもかけ離れている場合もあります。

「長崎グルメ探訪」は、既存のグルメ情報とは一線を画すことを目標にしています。
一般の、読者代表の方の感覚で行きつけやお気に入りの「ちょっといい店」をご紹介いただいて、「長崎にもこんな店があるんだ」とか「前から気になっていたけど、こんな店だったんだ」と知っていただくことで、皆さんの「プチ贅沢」のお手伝いができればと思っています。

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