長崎市内の観光地などを三輪自動車「トゥクトゥク」で送迎しながら写真や動画撮影を楽しめるサービス「ナガサキオルネ」が始まって、8月24日で1カ月がたった。

ドアも窓もないトゥクトゥクは風を感じながら移動できるのが醍醐味

　「Solis」（長崎市大黒町）が運営するピックアップフォトサービス「ナガサキオルネ」の一環で提供する同サービス。代表の西田邦治さんは明治期の洋館が立ち並び、グラバー園や大浦天主堂など観光名所が多く集まる居留地エリアでまち歩きを楽しみながら写真撮影を楽しむ「フォトさるく」を企画しようとしていた。同エリアの一角にある東山手地区だけでも散策に1時間以上かかってしまうことから移動手段を取り入れる必要性を感じ、東南アジアなどでタクシーとして利用されている「トゥクトゥク」に目をつけた。

　国内で輸入ディーラーを手がける業者を通じて手に入れたトゥクトゥクは7人乗りのAT仕様。ブルーのビビットな色味のボディーを居留地の洋館と同じティファニーブルーに塗り替えた。シートもボディーに合わせたカラーにカスタムし、「爽やかな雰囲気」に仕上げた。7月24日に諏訪神社でおはらいを済ませ、テスト走行を始めた。

　座席にドアや窓がなく、天井にはほろが取り付けてあるだけのトゥクトゥク。モニターとして乗車した地元客からは「住み慣れた長崎の街をトゥクトゥクで走ると新たな発見があった」「風を感じて走る心地よさがある」と評判は上々だといい、SNSなどで発信する人もいた。

　コースは、日中に中島川周辺や鍋冠山、居留地エリアなど市内中心部の観光名所を巡る60分の「ちょびっとコース」（1組1万6,500円）や120分の「ゆたっとコース」（3万3,000円）、夕焼けや夜景を楽しむ「夜景コース」（1万6,500円）や「夕焼けコース」（2万2,000円）などを設定。最大6人まで乗車でき、要望に合わせたフリープランコースにも対応する。

　テスト走行ではこれまでに北は西海市七ツ釜、南は野母崎、東は雲仙市愛野町まで走ったという西田さん。「モニターの意見も参考にブラッシュアップしながら、有名な観光地から地元の人しかあまり行かないような景色のきれいな海岸まで要望に合わせてコースの提案ができるよう下見も行っている。長崎の風を感じながら観光客にも地元の人にも楽しんでもらえるサービスを提供していきたい」と意気込む。

　営業時間は10時～。予約はインスタグラムか電話（ナガサキオルネ TEL 070-8792-8376）で受け付ける。