長崎県美術館（長崎市出島町）で6月4日から彫刻家・新宮晋（しんぐう・すすむ）さんの作品展「新宮晋の宇宙船」が開催される。

新宮晋さん

　新宮さんは1937（昭和12）年、大阪府生まれ。東京芸術大学絵画科卒業後、1960（昭和35）年にイタリア政府奨学生として渡伊。ローマ国立美術学校でフランコ・ジェンティーニに師事して絵画を学んだ。ローマ滞在中に鉄線のフレームにキャンバスを縫い付けた立体作品を発表。帰国後の1967（昭和42）年に日比谷公園（東京都千代田区）で開催した個展「風の造形」で注目され、大阪万博（1970年）の出品作家に選ばれた。1971（昭和46）年にハーバード大学視覚芸術センターに客員芸術家として招聘（しょうへい）されるなど海外からも評価され、一貫して風や水などの自然エネルギーで動く彫刻を制作し、国内外各地に設置している。

　2014年に兵庫県立有馬富士公園に12点の作品を常設する野外美術館「新宮晋　風のミュージアム」がオープン。長崎県内では百合ケ丘公園と大島大橋公園（以上、西海市）にそれぞれ作品が設置されている。2007年に開始したプロジェクト「ブリージング・アース」の取り組みは、自然エネルギーだけで自立する新しい共同体の創生を目指しており、ドキュメンタリー映画「ブリージング・アース：新宮晋の夢」（トーマス・リーデルスハイマー監督、2012年）に収められている。受賞歴は、第4回吉田五十六賞（1979年）、第18回日本芸術大賞（1986年）、第43回毎日芸術賞特別賞（2002年）、第20回現代日本彫刻展大賞（2003年）など多数。兵庫県三田市在住。

　本展では新作を中心に15点の作品を紹介。企画展示室だけでなく、エントランス、水盤、運河など美術館全体が宇宙船に変貌する。

　開館時間は10時～20時。観覧料は一般＝1,000円～（中学生以下無料）。7月10日まで（6月13日、27日は休館）。関連企画として6月11日、7月2日に映画「ブリージング・アース：新宮晋の夢」を上映する。13時30分開場、14時～15時30分上映。定員は先着100人。入場無料だが本展観覧券が必要。