長崎県長与町にある美容室「hairmakeくるくる」（長与町吉無田郷）オーナーの眞角陽子さんが全国の女性経営者20人と共著した「後悔しない生き方を選択した女たち」（Rashisa出版）を刊行した。

　出版社の公募で選ばれた全国各地で活躍する女性起業家21人のストーリーをまとめた同書。「生き方や体験談を赤裸々につづったさまざまな体験談を知ることで、人生を変えるような選択を迫られたり、過去の選択が正しかったのかどうかを悩んでいる読者に自信を持って道を進むための手助けをする」のが出版の趣旨だという。眞角さんも著者の一人に選ばれた。

　眞角さんは美容学校卒業後、九州各地にサロンを展開する大手美容室に就職。長崎市内のサロンで経験を積んでいたが、30歳を過ぎて「オーガニックの薬剤を使いたい」「自分が納得いくサービスを提供したい」と感じるようになり、「何となく独立を意識するようになった」という。眞角さんが自身のサロンを開業したのは33歳のとき。まだ明確に独立を考えていなかったものの、不動産店から「いい物件がある」と紹介されたことがきっかけで急きょ独立を決め、今年で8年目を迎える。

　開業後に妊娠や出産、育児も重なり仕事と家族との時間のバランスで悩んだこともあるという眞角さん。メンター（助言者）との出会いを機に「どちらも諦めることなく仕事を続ける」と決め、時間の使い方や働き方を見直すことで現在は3歳の娘の子育てをしながら仕事と家庭を両立した働き方を実現しているという。

　美容師として長年接している顧客から抜け毛や薄毛の相談を聞くようになり、客の髪質にも変化を感じた眞角さん。マッサージなどで髪を育てる「髪育」にも力を入れ、一般社団法人「髪育JAPAN協会」（神奈川県鎌倉市）の理事としても活動。セミナーや講習のほか、「女性が輝ける社会にしたい」と同じく独立して悩みを抱える女性美容師に向けたお茶会を月に1、2回開いている。

　眞角さんは「本を通じて自分の好きな生き方、働き方に挑戦するきっかけになれば」と笑顔を見せる。

　仕様は四六判、356ページ。価格は1,650円。